成人式「密」回避に腐心 熊本県内45市町村、1月に式典予定

熊本日日新聞 | 2020年12月14日 13:36

今年の熊本市成人式では、会場近くの「サクラマチ クマモト」前の広場が大勢の新成人で混雑した=1月13日、熊本市中央区(高見伸)

 冬場の新型コロナウイルス感染拡大が懸念される中、熊本県内の全45自治体が来年1月に成人式を予定している。例年にない事態に、多くの市町村で来賓の出席人数を減らしたり、会場を広い建物に変更したりするなど「密」を避ける感染防止対策に腐心。一方、式典をオンラインで生配信するなど、コロナ禍ならではの工夫もみられる。

 県内で最多となる7702人が参加対象の熊本市は、午前と午後に分けて式典を実施する「2部制」を初導入する。市の無料通信アプリ「LINE(ライン)」で集計した現段階の出席動向は、回答者全体の9割が午前の参加を希望しているという。玉名、山鹿市や大津町なども2部制を取り入れる方針。

 参加者同士の距離を確保し、換気しやすくするため、会場を変更する自治体も目立つ。このうち合志市は、2階席がある広い会場に変えたことで、これまで断ってきた式場への保護者受け入れが可能になるという。

 式典を盛り上げる各種アトラクションのほか、立食パーティー(玉東町)やジュースでの乾杯(水上村)など恒例行事を中止する自治体も少なくない。

 産山村や天草市の牛深地区は、例年夏に開く成人式を1月に変更した。

 一方、コロナ対策で帰省を控える県外在住者へも配慮。熊本市や阿蘇市、高森町、南阿蘇村、和水町などは、動画配信サイトやインターネットTVで式典を生配信する予定。(飛松佐和子)

◆なぜ私たちの節目に…

 「なぜ私たちが二十歳の年に…」「集まることで感染が拡大しないだろうか」。収束が見えない新型コロナウイルス禍の中、県内全市町村で成人式が開かれるが、新成人や美容関係者らの表情は曇りがちだ。

 成人式について県内の複数の市町村は、感染状況次第で「中止」も検討している。これについて新成人からは「人生の大事な節目に、なぜ私たちがこんな目に」とコロナへの恨み節が漏れる。

 熊本大薬学部2年の吉冨綾花さん(20)は、出身の佐賀市の成人式に出席する予定。「ずっと夢みていた」という式典の司会も担当するという。ただ、最悪の場合は中止とも聞いている。「式は開いてほしいけど…」と複雑な胸中を明かす。

 熊本市の午前の式典に参加する熊本大法学部2年の久保結菜さん(20)は、式典には出たいが、「そこでクラスターが起きて周囲から批判されたら怖い」と困惑顔。「今年はどこにも行けず、友だちともなかなか会えない。せっかく二十歳になったのに実感が湧かないんです」

 例年、成人式の時期には着付けやメーク、髪のセットなどに大忙しの美容室。今年はこれまでにない対応に迫られている店もある。

 熊本市中央区の美容室「ピカイチ上通り店」。市の成人式が2部制になることが分かり、予約を受けた約50人に連絡して、来店時間などを調整した。成人式は毎年休業日で、新成人のみに対応してきた。来年は、午後の式典に参加する新成人のため「例年より営業時間を延ばさないと」と話す。
(飛松佐和子)

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