5月4日付

05月04日 09:23

 そこに行かなければなかなか言えない表現がある。「月で親指を立てると、親指の裏に地球が隠れる。われわれはなんと小さな存在だろう」。アポロ13号で月に向かった宇宙飛行士のジム・ラベル氏は地球のサイズをそう言い表したという▼「宇宙から見れば人類の滅亡は、小さな惑星にできた化学物質の泡が消えるだけのこと」。一方、難病のため車いすの上から淡々と語ったのは、理論物理学者の故ホーキング博士だった。地球温暖化を巡る質問に答えてのことだが、続けて「でも、孫たちに未来があるかどうか、私は憂[うれ]う」と言った▼外から見れば地球はさようにちっぽけな存在でしかない。同時に「地球は青かった」というようにその豊かさもさまざまに語られてきた。ところが70億人という人類の活動によって、環境が劇的に変わろうとしている。温室効果ガスの排出と森林破壊による気候変動である▼米国で最初にアースデー(地球の日)運動が始まったのは1970年4月22日。今年はバイデン米大統領が世界に呼び掛け、その日に気候変動サミットを開いた。日本政府も呼応し、温室効果ガスを大幅に削減する目標を掲げた▼きょう国民の祝日「みどりの日」は自然に親しみ、その恩恵に感謝する日とされている▼もちろん同時に、地球環境の危機に思いをはせている人も多いだろうが、せっかくならさらに「地球の日」を制定してみてはどうか。温暖化対策を前へと進めるため、「小さくて豊かな存在」を改めて胸に刻む日となるだろう。

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