4月27日付

04月27日 09:13

表と[おもて]は、すなわち顔を表す面で[おもて]ある。日本人は面目を大切にするというが、それはあくまで「おもて向き」であって、実はそれ以上に裏が重視されている-と評論家の森本哲郎さんは説く▼小切手は裏書きしなければ使えないし、証言にも裏付けが必要。そして、「裏には裏がある」とのことわざも。つまり目に見える表は建前で、隠れた裏にこそ本音、本質があるとの意識を持っていると(『日本語 表と裏』新潮文庫)▼おととい投開票された衆参3選挙で、不戦敗を含め自民党が全敗した。菅政権にとって大きな痛手だが、そもそもうち二つは、同党前職議員の裏のカネが表ざたとなったことで実施された選挙である▼中でも参院広島選挙区での公選法違反事件で、有罪が確定した河井案里前議員の場合は、自民党本部が投入した1億5千万円が買収の原資なのでは、と疑われている▼今年の自民党への政党交付金配分額は、共同通信の試算によると約170億円に上るという。政治家への公助である同交付金が導入されたのは、政治資金規正法の改正によって、政治のカネの流れは全て表に出して透明化するという約束があったからだ▼にもかかわらず、河井氏の事件では本人も自民党も説明責任を果たさず、裁判でも資金の出所はうやむやのままで終わってしまった。「自助」や「既得権益の打破」を掲げながら、自分たちには適用しない。今回の選挙結果は、菅政権のそんなご都合主義の裏の顔が、選挙民に見透かされたということではないか。

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