4月26日付

04月26日 09:22

 東日本大震災後はいろんな歌が復興を後押しし、人々の心を癒やした。熊本地震はといえば、真っ先に浮かぶのが『火の国旅情』か。♪阿蘇は火の山/空の涯[はて]/何を祈って吐く煙-。この歌に励まされたとの声は本紙にも寄せられた▼故岩代浩一さんの作詞作曲。発表から半世紀近い。1番の詞は岩代さんの古里阿蘇。連載『わたしを語る』によれば、発売に当たりレコード会社に最初に注文したのは当時衆院議員の故福島譲二知事。「天草の詞がとてもうれしい」との手紙をくれたと語っている▼のちに出たDVDには、県内全域にわたる35番まであったという。ゆったり流れるメロディーと詞に誰もが故郷への思いを重ねるのだろう。文字通り県民の歌。熊本市関連の詞は数番あり、熊本城もその一つである。♪心ひとすじ/銀杏[ぎんなん]の/城は石垣武者返し-▼地震の際、湯気のように土煙をたてて揺れる城の映像が印象深い。直後の写真は瓦が落ちてぼろぼろ。悲惨な姿は、いま見ても心が痛む。その天守閣の復旧が完了。きょうから予定された内部公開は延期になったが、コロナでは致し方ない▼最新の耐震構造となり展示も一新。復興のシンボルとして5年でこぎつけた。とはいえ、天守に行き着くまでには目を覆いたくなる光景も少なくない▼再建なった天守は、歌詞にある「雄々しき姿」で迎え、後に続けと励ましてくれそう。一方、崩れたままの石垣や櫓[やぐら]は地震の脅威を改めて思い起こさせよう。どちらも古里のいま。目に焼き付けておきたい。

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