川辺川へのダム、予定地2村長の賛否は…

熊本日日新聞 | 2020年12月11日 10:26

 川辺川ダム建設計画の水没予定地を抱える熊本県五木村と建設予定地である相良村で10日、それぞれ村議会の一般質問があり、五木村の木下丈二村長は、蒲島郁夫知事が表明した流水型(穴あき)ダムの建設推進を容認する考えを初めて示した。一方、相良村の吉松啓一村長は賛否について従来通り明言を避けた。

 現行の貯留型も容認する立場をとっていた木下村長は「県が進める球磨川の流域治水の中に流水型が位置付けられた。村長として容認する」と明言した。

 村の地域振興については、2008年の蒲島知事による白紙撤回以来、再び「ゼロベースになる」と指摘。流水型建設に伴う新しい振興計画の策定を国、県に求めるとした。

 住民の意見は、「ダムの規模や環境・景観への影響などの概要が示された上で、聞きたい」と述べた。

 一方、相良村の吉松村長は、従来通り「ダム建設の賛否について個人的な考えを言うつもりはない」と断言。「ダム建設の是非に関しては村内にさまざまな意見があり、ここで私の意見を述べても村が混乱するだけだ」と強調した。(隅川俊彦、小山智史)