4月19日付

04月19日 09:23

 世界的なコメ不足だとか。ただコメはコメでも「産業のコメ」と呼ばれる半導体の話。あらゆる機器の制御に用いられる製品のことだ。電子回路の微細化、集積化を図るための技術革新も著しく、スマートフォンなどの進化にも貢献している▼デジタル化の進展で需要が拡大する中、工場火災などで供給不足に拍車が掛かり、減産を余儀なくされた国産車メーカーも出ている。東日本大震災で露呈したサプライチェーン(供給網)の弱点再び、という印象▼その一因となった、茨城県にある半導体大手ルネサスエレクトロニクスの工場が一昨日、火災から約1カ月ぶりに生産を再開した。車載用半導体の拠点で、熊本にも縁の深い会社の動きに胸をなで下ろした関係者も多かろう▼この流れで半導体不足は解消するかと思いきや、今後は争奪戦がさらに激しくなるとの見方がもっぱらだ。先端技術を巡る米中対立を背景に、主要国が半導体産業を囲い込む動きを強めている。ちらつくのは自国優先の姿勢である▼際立つのはバイデン米政権で、国内生産を拡大して有事にも安定的に調達できる体制へ動き始めた。中国を供給網から切り離す「デカップリング」戦略。先日の日米首脳会談で、半導体などの供給網構築で連携を確認したのもその一環だ▼きな臭い思惑は脇に置くが、半導体の供給網は国の産業力確保に欠かせない。いつの間にやら国際競争力で後れを取った「日の丸半導体」だが、先端製品以上の思考回路で復活の道筋を描くことができようか。

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