4月14日付

04月14日 09:10

 益城町の堂園地区を訪ねた。活断層の動いた跡がくっきり田畑に刻まれ、今もクランク形の畔[あぜ]に保存されている。農地の持ち主の田上勝志[かつし]さん(55)の自宅跡まで来て、目を見張った。長らく更地だった敷地で、新築工事が始まっていた▼熊本地震で家屋が全壊して以来、田上さんは仮設団地で生活してきた。団地の集約に従って1度引っ越し、今は2カ所目。長男一家と2世帯で、隣り合わせのプレハブに入居している▼その団地を訪ね、田上さんと再会した。農作業で日焼けした顔で、いまは終日キュウリの収穫などに追われていると教えてくれた。堂園の自宅は、先月末に着工したばかり。敷地脇の道路工事など公共事業が完了し、ようやく取り掛かることができた。地区内の住宅再建は順次進んできて、田上家が「しんがり」だそうだ▼集落にはもう一つ朗報があった。農業用水路が復旧し、稲作ができるようになる。地震から実に5年。地域挙げての本格的な田植えが復活する。地区にとっても、田上さん一家にとっても、これがスタート地点だろう▼熊本地震のため今も仮設暮らしをしている被災者は県全体で418人。田上さんと同様に、多くは公共事業の進捗[しんちょく]を待っていて、自宅再建はまだまだという人たちだ▼「私たちにしてみれば今年が復興元年です」。田上さんの実感は決して堂園地区だけのものではないはず。5年の間に孫が増え、自分の両親を含め4世代9人の大家族となった田上さん一家は今夏にいよいよ父祖の地の新居に戻る。

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