「まん延防止」拡大 早急に医療体制の強化を

04月11日 09:08

 政府は、新型コロナウイルスへの緊急事態宣言に準じた対策を可能とする「まん延防止等重点措置」を、12日から東京、京都、沖縄の3都府県にも適用する。5日には大阪など3府県に適用しており、2度目の宣言全面解除から3週間で、計6都府県に拡大した。

 これ以上の感染拡大は何としても防ぎたいが、感染力が強い変異株が、熊本県内も含め既に全国各地で確認されている。他地域での感染再拡大も想定し、特に医療体制の強化を急ぐべきだ。

 国立感染症研究所によると、国内で多く見られる変異株は英国型で、感染力は従来型より1・32倍強い。重症化が速いとの報告もあり、いかに早い段階で感染拡大の芽を摘むかが重要になる。

 政府は、ウイルス変異の有無を調べる検査の割合を陽性者の40%に引き上げる目標を掲げるが、未達成の自治体も多い。検査率を早急に引き上げ、積極的疫学調査につなげたい。

 病床確保は待ったなしだ。厚生労働省は3月下旬、各都道府県に第3波の2倍程度の感染者を想定した計画を、4月中に策定するよう要請。ところがその後、「原則入院」の変異株について、無症状者や軽症者は宿泊施設や自宅での療養を認めると通知した。

 既に病床使用率が高い地域を考慮したというが、重症化が速いとされる変異株への対応として適切だろうか。第3波では、自宅待機中に死亡するケースが相次いだ。こうした事態を繰り返さないよう、医療機関の役割分担など環境整備に全力を挙げてもらいたい。

 12日には65歳以上の高齢者へのワクチン接種も始まる。英国型にも有効とされるが、完了までには数カ月かかる。さらには、有効性が不透明な変異株も出ている。

 感染拡大を阻止するには当面、国民一人一人が感染対策の徹底を心掛けるしかない。しかし「気の緩みの引き締め」を説くような従来通りの精神論の繰り返しでは、自粛疲れを乗り越えての協力は期待できまい。

 政府など行政には、疫学調査などで得られた最新の知見を積極的に開示してもらいたい。その上でなぜ今この対策が必要なのかという具体的なメッセージを届け、国民の理解を得る努力が必要だ。

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