衆参補選・再選挙 菅政権の評価審判に注目

04月10日 09:16

 参院の長野選挙区補欠選挙と広島選挙区再選挙が告示され、与野党の候補者が対決する構図が固まった。昨年9月に発足した菅義偉政権にとって初の国政選挙であり、この7カ月の政権運営を有権者が評価する機会となる。

 焦点は新型コロナウイルス対策と政治とカネの問題に絞られるだろう。選挙区以外の国民も審判に注目している。与野党には、地域の課題とともに、国民が関心を寄せるこれらの問題についても正面から論戦を展開してもらいたい。

 長野の補選は、立憲民主党の羽田雄一郎元国土交通相の死去を受けて行われる。広島の再選挙は、自民党公認で参院議員となった河井案里氏が選挙買収で有罪(確定)となり、当選無効になったためだ。このほか鶏卵生産大手を巡る贈収賄事件で吉川貴盛元農相が議員辞職した衆院北海道2区の補選も13日に告示され、3選挙とも25日に投開票される。

 安倍晋三前首相の辞任後を引き継いだ菅政権は、有権者の審判を経ずに誕生した。渦中のコロナ対策で、菅首相は感染抑制と経済活動の両立を求め、消費喚起策「Go To キャンペーン」を推進した。しかし、爆発的な感染者数の増加で緊急事態宣言の発令に追い込まれ、「後手の対応」と野党から批判された。緊急事態を解除後、ここに来て感染「第4波」の恐れが高まり、まん延防止等重点措置を取るといった対応を繰り返している。医療や検査体制の迅速な拡充ができているとは言えず、感染収束の道筋は見えていない。

 一方、政権を批判する野党の立憲民主党は、感染抑制に徹底的に取り組んだ上で経済活動を再開させる「ゼロコロナ戦略」を発表している。実効性ある政策なのか。現状とも比較しながら、選挙戦で十分に吟味する必要がある。

 政治とカネの問題は、そもそも広島で再選挙が必要になった原因でもある。議員辞職した案里氏と夫で元法相の河井克行元衆院議員は、県議ら100人に計2900万円を配ったとして起訴された。大規模な選挙買収事件だった。

 選挙の際、案里氏の陣営には自民党本部から1億5千万円の資金が提供された。買収の原資になったかどうかは解明されていないとはいえ、自民党の二階俊博幹事長は元法相の議員辞職表明に際し事件を「他山の石」と表現、人ごとのような態度を取った。

 案里氏、克行氏、農水汚職の吉川氏の3人とも、離党前は自民党議員だった。にもかかわらず、党や党総裁の首相からは、事件の反省に立って国民の政治不信を払拭[ふっしょく]しようという姿勢がうかがえない。

 首相の長男らによる総務省幹部の接待問題、緊急事態下の政治家や官僚らの酒食外出など、不祥事は多発している。

 今回の選挙結果が、今後の政権運営や秋までに実施される衆院選の時期に影響するのは間違いない。その意味でも、有権者は与野党の主張をしっかり見極めて投票に臨んでほしい。

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