4月10日付

04月10日 09:14

 「ウイルスは奇妙な存在である」と、人類学者の長谷川眞理子さんが本紙夕刊の『現論』欄に書いていた。新型コロナウイルスが属するRNAウイルスの特徴を平易な表現で伝えている▼「RNAは遺伝情報の変化を抑える仕組みを持っていないため、情報の変異のスピードが速い。変異が起こってもそれを修復しないので、どんどん新しいものが出てくる」と。掲載されたのは、新型コロナの国内感染が初めて確認されたころ。1年以上たった今、その脅威は、現実のものになりつつある▼県内で新型コロナの変異株感染者が2日連続で確認された。疑いがあり判定を待つ感染者もいる。変異株が猛威をふるう大阪府や兵庫県の状況を見れば「来るべきものが来た」といったところか▼これまで、英国、南アフリカ、ブラジルで報告された変異株は感染力が強い上、ワクチンが効きにくいものもあるという。最近では感染力が強くない新しい変異株も、関東を中心に報告されている▼世界的ベストセラーとなったノンフィクション『ホット・ゾーン』(リチャード・プレストン著)は、エボラ出血熱の制圧に命を懸けた人々を描いた。エボラもまた、RNAウイルスである。全面的な制圧はまだだが、コロナ禍中の昨年6月、コンゴ(旧ザイール)政府が、2018年から続いていた同国東部での流行の終息を宣言した▼ワクチンや治療薬の開発、地道な予防啓発活動で封じ込めに成功したという。コロナでも早く、同じような明るいニュースを聞きたい。

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