少女暴行の沖縄米兵に懲役５年　那覇地裁、無罪主張退ける

　沖縄県で昨年１２月、１６歳未満の少女を誘拐し性的暴行をしたとして、わいせつ目的誘拐と不同意性交の罪に問われた米空軍嘉手納基地所属の兵長ブレノン・ワシントン被告（２５）に、那覇地裁は１３日、懲役５年（求刑懲役７年）の判決を言い渡した。

　弁護側は最終弁論で、被告は少女を１８歳と考え、同意があったとして無罪を主張していた。

　佐藤哲郎裁判長は判決理由で、証人出廷した少女の証言について「不自然なところはなく、事実関係とも整合しており信用できる」と指摘。被告に対しては、同意がないと認識した後も性的行為を続けたとして「少女の性的自由に関する意思決定をないがしろにしており、悪質だ」とした。

　事件は日本政府や県警が県に伝えず、起訴から約３カ月後の６月に報道で判明。政府が非公表事件を巡る県への連絡体制を見直す一因となった。沖縄では今年、同種の事件で計３人の米兵が起訴され、判決が出るのは今回の事件が初めて。

　沖縄県の玉城デニー知事は判決を受け「女性の尊厳をないがしろにする事件は許すことはできない」とコメントした。