首相、少数与党「合意形成図る」 政治改革、年内に法整備
石破茂首相は29日、衆参両院本会議で所信表明演説を行った。衆院の少数与党として「他党に丁寧に意見を聞き、幅広い合意形成が図られるよう謙虚に取り組む」と表明。年収103万円を超えると所得税が生じる「年収の壁」を巡り「2025年度税制改正で議論し引き上げる」と明言した。自民党派閥裏金事件を受けた政治改革に関し、法整備を含め年内に結論を出す考えも示した。ただ立憲民主党は企業・団体献金に触れなかった点を批判しており、国会論戦は波乱含みだ。
演説を受け12月2~4日に衆参両院で各党代表質問を実施。5日に衆院、6日に参院で予算委員会を開き、首相と全閣僚が出席する。
首相は演説で24年度補正予算の早期成立を期すと言明。自治体に配る地方創生の交付金の倍増は前倒しで措置するとした。地震と豪雨被害に遭った石川県能登地方の復旧・復興加速化を誓った。
政治資金規正法の再改正に向け(1)政策活動費廃止(2)第三者機関の設置(3)収支報告書のデータベース化―を挙げた。