熊本の飲食店、協力金「早く」 時短要請、支給に遅れ 客足減、家賃…資金繰り厳しく

熊本日日新聞 | 2021年03月14日 08:30

「例年なら歓送迎会などでにぎわうはずだが…」と肩を落とすスナック経営の男性。協力金の早期支給を求めている=12日、熊本市中央区
時短要請に対する協力金の申請に対応する県の担当者ら=12日、県庁会議棟

 新型コロナウイルス感染拡大防止のため、熊本県の要請に応じて営業時間を短縮した飲食店から、協力金(1日4万円)支給の遅れを指摘する声が出ている。申請から2カ月近くたっても支給されない店があり、「資金繰りが苦しい」という経営者らの訴えは深刻だ。

 12日深夜、熊本市中央区の繁華街、銀座通りのビルにあるスナック。客のいないテーブルをシャンデリアが照らす。「例年なら歓送迎会などでにぎわう時期だが…」。経営者の男性(49)が表情を曇らせた。

 県が時短要請したのは昨年12月30日~今年1月12日と1月12~18日、1月18日~2月8日、2月8~18日の4回。要請の対象となった酒類提供の飲食店からは、3月11日時点で4回分の総計1万2184件の協力金支給が申請された。

 これらの申請に対し、県が協力金支給を済ませた割合(3月11日現在)は、1回目94・7%、2回目84・2%、3回目30・4%、4回目0%。このうち1~3回目の申請は受け付けを締め切った。4回目の締め切りは3月31日。

 全期間にわたって要請に協力した男性に支給される協力金は総額200万円に上るが、支給されたのは1回目の要請に対する52万円のみ。2回目の24万円と3回目の84万円は2月8日に申請したものの、3月12日時点で支給されていない。

 一方、固定費は待ったなしで支払いを迫られる。広さ約100平方メートルの店の家賃は月30万円。ほかに人件費やカラオケのリース代などがあり、協力金がスムーズに支給されたとしても、売り上げが激減したため支払いは厳しいという。

 「要請に協力せず、店を開けた店もあるのに不公平だ」「従業員の数や店の規模にかかわらず、協力金が一律なのもおかしい」と男性。県独自の緊急事態宣言に伴う3回目の支給は、熊本市の家賃補助の条件になっており、家賃補助の申請もできないでいる。「家賃の安い場所に移ることも検討している」と肩を落とす。

 熊本市の繁華街で居酒屋と酒店を営む和田薫さん(64)は、1月18日に申請した2回目の協力金24万円が3月12日時点で支給されていない。書類は届いたのか、不備はないかと尋ねても、県の担当者は「個別の問い合わせには応じられない」と回答するだけといい、和田さんは「経営者の切実な事情が分かっていない」と憤る。

 県は申請受け付けから支給まで、不備がなければ約3週間とみているが、「申請書類の記載ミスや資料の添付漏れも多い」(商工政策課)という。このため、担当者を当初の50人から約140人に増員。同課は「全庁から協力を受けて対応している」と理解を求めている。(隅川俊彦)

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