命の道、8カ月ぶり通行可に 熊本豪雨で崩落 多良木町槻木

熊本日日新聞 | 2021年03月12日 10:15

全面通行止めが解除された区間を通り、槻木地区へ向かう車=11日午前7時15分ごろ、多良木町

 昨年7月の豪雨で熊本県多良木町中心部と結ぶ唯一の県道が崩落し、半孤立状態となっていた同町槻木[つきぎ]地区で11日、車が片側通行できるようになった。工事完了まで規制は一部残るが、約20キロ離れた中心部に行くために遠回りを強いられていた住民らは、命をつなぐ道の8カ月ぶりの復旧を喜んだ。

 同地区は宮崎との県境の山あいにあり、64世帯106人が暮らす。昨年の豪雨で、重要な生活道だった県道中河間多良木線が、地区の出入り口付近で長さ約30メートル、高さ約40メートルにわたって崩落。このため、住民らは宮崎県側へ遠回りするか、崩落現場に車を置いて山側に残された幅1メートルほどの路面を歩いて行き来するしかなかった。

 県は昨年11月に工事を始め、崩落した斜面を軽量盛土などで復旧。1車線分が確保できたため、2トン以下の車両に限り、片側交互通行を可能にした。

 工事終了は4月末の予定。このため午前9~10時、同10時半~正午、午後1~3時半、同4~5時は、救急や消防などの緊急車両を除き通行できない。

 この8カ月間、地区内からの119番通報は上球磨消防組合が受けて小林市(宮崎県)の消防本部に出動要請しており、到着まで1時間近くかかっていた。区長の椎葉袈史さん(72)は「地区の高齢化率は約85%で急病人が一番心配だった。待ちに待った開通。本当にありがたい」と胸をなで下ろす。

 地区唯一の商店を営む松本美津代さん(76)は毎週、仕入れで町中心部まで往復。主に宮崎県西米良村と湯前町経由で向かっていたが、「車が擦れ違うのがギリギリの山道もあり、往復で3時間以上かかっていた。やっと解放される」と声を弾ませた。(坂本明彦)

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