免田栄さん死去 95歳 死刑囚で初の再審無罪

熊本日日新聞 | 2020年12月06日 07:08

再審無罪からの30年間について語る免田栄さん=2013年7月、熊日本社

 死刑囚として国内の刑事裁判史上初めて再審無罪となった免田栄(めんだ・さかえ)さんが5日午前11時55分、老衰のため、大牟田市の高齢者施設で死去した。95歳。通夜は済ませた。葬儀は近親者のみで営む。喪主は妻玉枝(たまえ)さん。

 1925(大正14)年、熊本県免田町(現あさぎり町)出身。1948年12月に人吉市で一家4人が殺傷された「免田事件」が発生し、翌49年1月に逮捕され、犯行を自白したとして強盗殺人罪などで起訴された。

 熊本地裁八代支部での第3回公判からアリバイを主張し、犯行を否認。しかし、50年3月に死刑判決を言い渡され、52年1月に最高裁で確定した。獄中から無罪を訴え続けたが、5度にわたる再審請求は全て棄却された。

 6度目の請求を受けて、79年9月に福岡高裁が再審開始を決定。逮捕から34年が過ぎた83年7月15日、熊本地裁八代支部が事件当夜のアリバイを認め、自白は信用できないとして無罪判決を下し、即日釈放となった。再審では自白の強要やずさんな捜査が指摘され、後の再審事件や刑事司法改革に影響を与えた。

 無罪判決の翌84年に玉枝さんと結婚した。獄中で書きためた手記を出版し、全国各地で講演。冤罪[えんざい]の根絶と死刑廃止を訴え続けた。(堀江利雅)

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