国内初、人に移植できるブタ誕生 遺伝子改変で拒絶反応回避
明治大発のベンチャー企業「ポル・メド・テック」は12日、細胞や臓器を人に移植できるように遺伝子を改変したブタ3頭が11日に生まれたと発表した。人への移植を目的に開発されたブタの日本での誕生は初めてという。当面は動物実験で安全性を確認する。
同社は昨年9月、移植用ブタの開発で先行する米バイオ企業から、人の体内で拒絶反応が起きないように10種類の遺伝子を改変した細胞を輸入。翌月に遺伝的に同じ個体を作り出す体細胞クローニング技術で受精卵を作製し、代理母となるブタの子宮に移植した。
クローンブタ3頭は帝王切開手術で生まれた。成長の推移を確認後、国内の研究機関に提供し、サルなど他の種類の動物に臓器を移植する研究に使う予定という。ポル・メド・テック創業者で、明治大の長嶋比呂志専任教授(発生工学)は「人への移植に向けた課題を考える契機にしたい」と話している。
動物の細胞や臓器の人への移植は「異種移植」と呼ばれ、臓器提供者不足の解決策として期待される。
RECOMMEND
あなたにおすすめPICK UP
注目コンテンツNEWS LIST
全国のニュース 「医療」記事一覧-
iPSで「心臓周皮細胞」 新たな心不全治療の開発も
共同通信 -
「今の保険証残して」抗議 マイナ巡り医療関係者ら
共同通信 -
血液がん遺伝子検査が実用化 網羅的に解析、診断に有用
共同通信 -
介護費用、11兆5139億円に 高齢化で最多更新、23年度
共同通信 -
緊急避妊薬、試験販売284薬局 さらに増加見通し、処方箋なし
共同通信 -
無床診療所の使用、審議差し戻し 中絶薬、医会の慎重論で
共同通信 -
移植見送り調査結果公表 厚労省、有識者で対応検討
共同通信 -
アルツハイマー病、米の新薬承認 イーライリリーの「ドナネマブ」
共同通信 -
精神科の訪問看護、見直しへ 過剰請求受け、厚労省が実態調査
共同通信 -
23年の臓器移植見送り509人 医療機関態勢整わず、厚労省調査
共同通信