北口和皇元熊本市議に罰金刑 違法ビラ配布で公選法違反 公民権停止は3年に 地裁判決

熊本日日新聞 | 2023年11月21日 15:11

北口和皇元熊本市議

 4月投開票の熊本市議選で自身への投票を呼びかける違法な文書(ビラ)を有権者らに配ったとして、公選法違反(法定外文書頒布)の罪に問われた元熊本市議、職業不詳北口和皇被告(65)=中央区国府本町=の判決で、熊本地裁(平島正道裁判長)は21日、求刑通り罰金30万円を言い渡した。公民権停止期間は原則の5年から3年に短縮した。

 平島裁判長は判決で「少なくない数の法定外文書を頒布し、民主主義の根幹を成す選挙の公正を害す身勝手な犯行」と指摘しつつ、「買収などの悪質な選挙違反ではない」と述べた。

 既に保釈されている北口被告はこの日、上下黒色のスーツ姿で出廷。判決後、報道陣の問いかけに答えず、足早に立ち去った。

 判決によると、市議選中央区に立候補した被告は告示後の4月5日、公選法が規定する証紙が貼られていないビラを、支援者を介して郵便で選挙区内の個人宅など35カ所に送った。被告は定数12に対し、15番目の得票で落選した。

 被告は9月の被告人質問で「ネコにかまれて40度の熱があったから送った。深く反省している」と弁明。検察側は被告が発注した法定外ビラは9千枚、茶封筒は7千枚に上り、うち6407通を送ったと指摘していた。

 5月に被告とともに県警に逮捕された60代の男性運動員は10月、不起訴処分となった。熊本地検は理由を明らかにしていない。(植木泰士)

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