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射程

ロックンロールの原点 2017年03月21日

 米映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」第1作に、印象的な場面がある。主人公の若者が1985年から30年前にタイムスリップ。ステージに駆り出され、ギターで演奏したのが『ジョニー・B・グッド』だ。映画では、新しい音楽を探していたチャック・ベリーさんがその演奏を聴くという設定。荒唐無稽な話だが、楽曲の存在感と影響力を際立たせてもいる。

 その伝説のギタリストが亡くなった。実際に若者を熱狂させることになった新しい音楽が「ロックンロール」。ベリーさんはR&Bをベースにビートが効いた音を作り上げ、エルビス・プレスリーらとともにロックンロール創始者の一人となった。ノリのいい独特のギターリフ(繰り返し)と、ダックウオークと呼ばれる片足を上げた演奏スタイルでも知られる。

 数多くのバンドにカバーされたことで、その名前を知った人もいるだろう。『ロール・オーバー・ベートーベン』『ロックンロール・ミュージック』『カム・オン』など、ビートルズやローリングストーンズも楽曲を取り上げており、後進に大きな影響を与えた存在と言える。国内のロックイベントでも、最後に出演者全員で『ジョニー・B・グッド』を演奏することがある。

 自らのルーツとなる曲を集めたアルバム「ロックンロール」があるジョン・レノンは「ロックンロールを別の名前で呼ぶとしたらチャック・ベリーだ」と発言したとされる。抵抗と反逆、シンプルな演奏で高揚感を生む音楽の魔法…。そこにロックの原点を感じるからだろう。

 ベリーさんは独創的な歌詞でも知られた。社会への批判的な視線がにじむ歌詞の背景には、黒人差別が色濃い時代の影響があったとされる。数々の曲に込められたその精神は、今の時代だからこそ一段と輝きを放っているようだ。(岩瀬茂美)


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