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射程

増える訪日客の宿泊対応 2017年01月07日

 ホテルや旅館のように、国内でも当たり前の宿泊形態となるのだろうか。政府は個人宅やマンションの部屋に観光客らを有料で泊める「民泊」に関する法案を20日召集の通常国会に提出する方針だ。サービスを提供する家主を都道府県への届け出制にして新規参入を促す一方、近隣とのトラブル防止のため苦情対応の義務付けなどを盛り込むようだ。

 政府が民泊のルール作りを急ぐのは、訪日外国人旅行者の急増で、都市部を中心に既存の宿泊施設では対応できなくなっているからだ。昨年の訪日客は2千万人を突破。2020年の東京五輪・パラリンピックには4千万人に増やすことを目標にしており、ホテルなどの新設では追い付かないとみられている。

 民泊は昨年から旅館業法に基づく「簡易宿所」に位置づけられ、許可制の形で解禁された。これとは別に、東京都大田区などで国家戦略特区の規制緩和策として営業が認められている。

 法案が通れば「民泊新時代」となろうが、先行例を見ると、騒音やごみ出しなどのトラブルも少なくない。法案では家主の宿泊事業者としての責任を明確化することにしているが、きちんと守るかどうか。無届けや無登録の業者をどれだけ取り締まれるかといった不透明な部分もある。近隣住民の住環境維持と民泊利用者の利便性が両立できるよう、国会で審議を尽くしてもらいたい。

 地方の視点で見れば、施設不足解消には訪日客の分散が有効ではないか。地方に足を運ぶ訪日客も増えてはいるが、やはり東京や京都、大阪などを巡る「ゴールデンルート」に集中している。地方の宿泊施設には訪日客を受け入れる余力がまだまだある。熊本地震の風評被害を払拭[ふっしょく]し切れていない県内はなおさらだ。温泉や農作業といった体験型プランを交えた、田園風景の中での民泊を訪日客にPRしたい。(前田克)


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