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射程

副業の効果 2016年12月27日

 コンサルティングの仲介サイトを運営するビザスク(東京)は、いま注目のベンチャー企業だ。自分の職歴や経験をサイトに登録すれば誰でもアドバイザーになることができ、必要とする個人や企業のビジネス相談に応じるという仕組みをつくりだした。アドバイザーは1時間当たり1万円ほどの報酬を受け取る。

 起業したのは熊本市出身の端羽英子さん(38)。当初は別の事業計画があり、その業界の経験者に助言を求めると1時間にわたり“ダメ出し”を受けた。そのことに「お金を払いたい」ほどの価値を感じたことがヒントになったという。

 2013年10月にサービスを開始。副業や兼業を禁じる企業が多いことに不安もあったというが、同社に登録する約2万5千人のアドバイザーのうち、約7割は現役の企業役員や社員だ。端羽さんは「副業の解禁が自社の人材育成につながり、企業イメージが向上するという考えが年々広がっている」とみる。

 こうした動きを追認するかのように、政府は社員の副業や兼業を、働き方改革の柱の一つに位置付けた。働く人の収入を増やし、社外での経験を自身の成長や「第二の人生」の備えにつなげてもらう。企業も他社の人材が加わることで新しいサービスや製品が生まれやすくなる。

 ただ、企業側には情報漏えいや人材流出などのリスクがある。働く人も長時間労働に陥っては本末転倒だ。政府は指針づくりを進める方針だが、こうした副作用をできる限り低減し、利点が明確になるような仕組みをつくりあげる必要がある。

 端羽さんは「働く人にとって副業は自分の強みの再発見になる」と言う。社内では当たり前の知識が、社外では価値を持つことがある。転職や独立といった選択をせずに活躍の場を増やせるのなら、挑戦する人も多いのではないか。企業も活性化すれば言うことなしだ。(田川里美)


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