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新生面

7月17日付 2017年07月17日

 苦い思い出がある。随分昔、旅行で米西海岸を訪れた時のこと。ファストフード店に入り英語で注文しようとしたが、全く通じない。女性店員の早口も聞き取れず、嫌な汗が流れた。10年学んだ英語は何だったのか、と嘆いたものだ▼そんな英語教育の転機となるのか。文部科学省は、2020年度から大学入試センター試験の後継となる「大学入学共通テスト」の実施方針を公表した。英語は英検やTOEICなど民間検定試験を活用。「読む・聞く・話す・書く」の総合力が求められる▼大学入試センターが本年度中に水準を満たす民間試験を認定。受験生は高3の4~12月に2回まで認定試験を受けることができる。成績は大学側に提供され、各大学の基準で評価されるそうだ▼学生時代、「話す」をそこまで求められなかった当方としては、「受験生でなくてよかった」が正直なところ。小学3、4年から英語の外国語活動も始まるという。グローバル化を生き抜くためとの理屈は分かるが、こうも英語、英語と言われると違和感が募る▼日本人にはその時々、世界最強と思い込んだ国の文化を一心不乱に摂取する性癖がある、と作家の故米原万里さんは書いている。それは長い間、中国であり、戦後は米国一辺倒。だが、本物の国際化とは、特定の超大国経由ではなく、直接世界の国々と対等な関係を築くことだ、と▼付言すれば、そのためにも、自国の言語と文化を深く学ぶことが欠かせまい。話せないおじさんの負け惜しみのようでもあるが。


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