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新生面

4月6日付 2017年04月06日

 「結婚適齢期」という言葉はすっかり死語と化したようだ。1950年には男女のほぼ8割が25歳になるまでに結婚したというが、近年では晩婚は珍しくなくなった▼さらに、結婚そのものをしない人も増えている。50歳まで一度も結婚をしたことのない人の割合を示す「生涯未婚率」が、男性23・37%、女性14・06%といずれも過去最高となった▼ライフスタイルとして自ら未婚を選択するケースもある。一方、正社員になれず低収入から抜け出せなかったり、長時間労働で異性と出会う時間がなかったりと、結婚したくてもできない人たちもいる▼そうした事情を知ってか知らずか、「男性が家を仕切り、女性が家事と子育てをするのが理想かつ多数派であるべき家族像だ」と言い切る森友学園の籠池泰典氏のような御仁もいる。園児には「父母に孝に兄弟に友に夫婦相和し」などとする教育勅語を暗唱させていた▼教育勅語を起草したのは肥後人の井上毅[こわし]と元田永孚[ながざね]だ。井上は、国家は人の内面に干渉してはならないとの考えを持っていたとされるが、結果として勅語は家族愛の一方で「忠君愛国」の名の下、軍国主義教育に利用された▼教育勅語は1948年、衆参両院で基本的人権を損なうとして排除や失効が決議されたが、今になって政府が学校で教育勅語を教材として使うことを容認するとは-。活用を勧めるわけではないそうだが、学校現場で忖度[そんたく]が広がるようなことにならないか。家族像も教育も国家権力の押し付けになってはなるまい。


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