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新生面

2月6日付 2017年02月06日

 「都合の悪いことは無視し、都合のよいことだけ返事する」「都合のよいことがない場合は、関係のない話をしてお茶を濁す」といった法則が並ぶ。安冨歩東京大教授の著書『もう「東大話法」にはだまされない』(講談社+α新書)である▼安冨さんは、東京電力福島第1原発事故後に多くの専門家らが操った「欺瞞[ぎまん]的かつ傍観者的」な話し方を、「東大話法」と名付けた。権力と権威を持つ者が自らの判断力を欺瞞言語により失うと、社会はとんでもない方向へ暴走する恐れがあると警鐘を鳴らし、東大話法に共通する20の法則を記した▼その話法が先週の衆院予算委員会でも登場したようだ。米軍輸送機オスプレイが大破した事故の後、わずか6日で飛行が再開された経緯を問われた稲田朋美防衛相は、防衛省が用意した答弁書を棒読みし始めた▼質問に直接答える内容ではなかったため、予算委員長が「簡潔に願います」「あんまり長いと止めますよ」と再三注意。それでも稲田氏は答弁を続行し、強制的に打ち切られる事態となった▼防衛省にも東大話法の使い手が数多くいるのだろう。その背景にあるのは、責任の所在を曖昧にして、国民をけむに巻きたいという発想なのかもしれない▼東大話法の法則には「自分の信念ではなく、自分の立場に合わせた思考を採用する」というのもある。稲田氏の国会での答弁を聞いていると、防衛相としての立場を守ることに一生懸命のよう。涙ぐんだり冗舌をたしなめられたりと、どうにも落ち着かない。


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