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新生面

2月1日付 2017年02月01日

 日本で初めて徴兵令が発布されたのは明治6年のこと。ただ明治政府の言う国民皆兵は名ばかりで、一定の金を支払ったり家の跡を継いだりした者は兵役を免除されていた。そこで貧しい国民が考え出したのが「徴兵養子」である▼分家や他家に入籍して戸主になれば徴兵から逃れられる。貧しい農村で働き盛りの若者を3年間も兵役に取られるのはつらい。高知県には徴兵養子で結ばれた相手が6歳の少女だったという笑えない話まで残っている▼時は過ぎて現代。養子縁組にはさまざまな目的があるが、節税も今や一般的になったようだ。「相続養子」とでも言えばいいのか、相続人が多いほど控除額が増えて税金が減る。節税対策の柱の一つとして、税理士事務所のホームページなどでも紹介している▼最高裁は昨日、相続養子の是非を巡る初判断を示した。節税目的だったとしても養子縁組が直ちに無効になるとは言えない、という。大金持ちは無論のこと、高額な土地に住む家族にもホッと胸をなで下ろした人がいるはずだ▼画家の岡本太郎さんは事実上の妻だった秘書の敏子さんを養女にしていた。太郎さんは結婚せず、子どもはいない。死後、作品の散逸を防ぐには敏子さんを養女としておくのが一番良かった▼今回の訴訟では長男の子を養子にしたため実子の娘2人が納得しなかった。近年は相続税が引き上げられ、小金持ちにも課税されるようになった。相続養子は認められた格好ではあるが、争い事が増えないようくれぐれもご用心を。


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