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新生面

1月25日付 2017年01月25日

 熊本では近年、ルーバーを使ったビルや家屋が増えてきた。羽板[はいた]と呼ばれる細長い板を平行に組んだもので、意匠性に優れ、見る角度によって表情が変わる。古着ファッションのような奇抜なものもあるが、街の風景を多彩にしているのは事実だろう▼木のルーバーブームの先駆けとなったのが、新国立競技場を設計した隈研吾さん。那珂川町馬頭広重美術館(栃木県)では、歌川広重の浮世絵に描かれた雨の線を木で表現した。里山に溶け込んだ建築を一目見ようと世界中から見学者が訪れる▼隈さんは昨年末、球磨工高で講演した。コンクリートの時代は終わり木の時代が来るとして、「新国立競技場には東北と熊本の木を多く使い復興五輪にしたい」と語った。地元としてはうれしい限り。木の伝統建築を学ぶ生徒たちも大いに励まされた▼自民党は新国立競技場の観客席の一部に全国の木材を使ったいすを導入しようと検討を進めている。問題はプラスチックより費用がかさむ点だが、直射日光や風雨が当たりにくい2階席の一部ならできそう。寄付者の名前をいすの裏に刻む案も出ているらしい▼なるべく建物を低くして、地元の自然素材を使うのが隈さん流である。国産材を使い、特別な加工技術がない工場でもできるもの。そんな小さな力が結集すれば8万人収容のスタジアムにもなる▼実は昨年正月のこの欄に、全国から木材を集めて五輪施設を造る初夢を紹介した。「正夢? いや、まさかね」と書いたのだが、そのまさかで正直驚いた。


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