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新生面

1月23日付 2017年01月23日

 先ごろ現役引退が決まった将棋の加藤一二三・九段(77)は、ファンから「ひふみん」とも呼ばれ親しまれている。何とも残念、と思っていたら、引退決定翌日の対局で最高齢勝利記録を更新した。まだまだ、の思いがあろう▼加藤九段は史上初の中学生棋士となり、「神武以来の天才」と呼ばれた。60年以上に及ぶ棋士人生では「居飛車」戦法を突き詰めた。その一方で、対局終盤に妙手を見つけ思わず奇声を発したといった逸話もある。愛嬌[あいきょう]を感じさせるキャラクターが「ひふみん」と呼ばれるゆえんだろう▼その将棋界は今、大揺れだ。将棋ソフト不正使用疑惑で、「対応に不備があった」として日本将棋連盟の谷川浩司会長が辞任を表明した。谷川会長は、加藤九段以来の中学生棋士の誕生と当時話題になったこともある▼事の発端は、対局中の三浦弘行九段の「不自然な離席」だ。連盟は将棋ソフトの不正使用が疑われるとして三浦九段を出場停止処分としたが、第三者による調査で、「不正の証拠は認められなかった」との結論が出た▼連盟は三浦九段にとんだ濡[ぬ]れ衣[ぎぬ]を着せたことになる。「光速の寄せ」と呼ばれる終盤の切れでファンをうならせてきた谷川会長だが、どうやら“寄せ”があまりに速すぎたようだ▼昨年末のデビュー戦で現役最年長の「ひふみん」を破り、史上最年少の初勝利記録をつくった藤井聡太四段(14)の登場など明るい話題もあるだけに、今回の“悪手”はファンにとっても残念であろう。連盟の信頼回復は待ったなしだ。


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