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新生面

1月20日付 2017年01月20日

 きょうは二十四節気の大寒。一年で最も寒いとされるころだ。しかし季節をさらに細かく分けた七十二候では款冬華[ふきのはなさく]という。雪の野山にフキノトウがひょっこり顔をのぞかせる。春の支度は確実に始まっている▼日本酒や味噌[みそ]の寒仕込みの時季でもある。雑菌が少ない上に、ゆっくり発酵が進むことで上品な味に仕上がるという。厳しい寒さは一方で、万物を育てもする。<門弟の中のわが子や寒稽古 高野素十>▼これも寒さを生かす一つだろう。魚屋さんに、空気が乾燥する冬場は干物づくりも簡単だと教わり、数年来楽しんでいる。アジ、カマス、イトヨリ。新鮮なものを開きにし、強めの塩水に1時間ほど漬けて、風通しのよい場所で半~1日。寒風に凝縮されたうまみが格別だ▼魚離れがいわれて久しい。1匹丸ごと買ってさばく魚食文化はすっかり廃れた。鮮魚店は街角から消え、代わってスーパーの鮮魚コーナーには切り身が、刺し身用、煮付け用などとラベルを張られて並ぶ▼さらには、骨を除いてフライパンや電子レンジで加熱するだけにしたファストフィッシュも。確かに便利だし献立のヒントにもなる。消費を促す一つの策だろう。ただし魚食文化再興につながるかは疑問だ▼いつぞやの魚屋さんのように、選び方や食べ方をプロの目で伝え、魚ファンを育てていくことこそ重要なのではないか。遠回りのようだが、威勢いい声が飛び交う対面販売の鮮魚店の復活に期待したい。今夜あたり自家製の小ダイの一夜干しで一献である。


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