箸、正しく使えますか
日本の伝統や礼儀、学んで 会話、雰囲気で楽しくおいしく
日本料理店「おく村」・奥村紘子さん講演
講演する「おく村」の奥村紘子さん
1.はしの使い方
2.器の持ち方
3.宴席のマナー
私たちは食事の度に、箸(はし)を愛用していますが、自分では気付かずに間違った使い方をしているケースが数多く見受けられます。日本料理の文化を伝えていくためには、食に関するしきたりやマナーを学び、床の間の使い方など日本古来の空間のしつらえを理解することも大切です。
これまで三十年近く、高校生や社会人に食事作法を話してきましたが、ファストフードで育った世代も日本料理に触れ、旬の食材を味わうことで食の楽しみ、喜びを感じてくれます。刺し身など生ものが苦手な若い人たちも、臭みをとる野菜と一緒に食べるなどの工夫でおいしくいただいてもらえます。
日本料理や西洋料理、給食まで食事をおいしく食べるには、楽しい時間とすることが一番。そのためには会話や雰囲気が何より重要です。金沢市では地元の伝統工芸を学ぶ意味からも、輪島塗の高級漆器で給食を楽しむ学校があるそうです。
最近、子供の中には一つのものだけを集中して食べる「ばっかり食い」という傾向があるそうです。これでは食材をおいしく味わうことにはなりません。一つ一つの食べ方や食材の添え方に意味があることを、親が丁寧に説明してあげることが大切です。
子供が嫌いな食べ物には、においが関係していることも多いものです。調理法や一緒に野菜を食べることで解決できます。親子でしっかりと会話をしながら、日本の伝統や礼儀、思いやりを学ぶ時間も大切にしてほしいですね。(談)
◇お座敷の豆知識
部屋に入る時はゆっくりとおじぎをしながら、自分の座る席を確かめる。部屋の両わきに分かれ、向かい合うように席が設けられていたら、中央の“通い畳”を通って席に着く。
配ぜんする時は主となる器を左側に置く。盛り付けでは、旬の食材などメーンとなるものを器の手前に盛る。高低を付けて配置し、立体感を出すように気を付けて。前菜は山海の食材や甘いもの、辛いものをバランスよく。
わんもののふたは料理を口に運ぶ際の受け皿として使うと便利。使わないふたは一つに重ねておく。
コップを持つ時は小指をコップの底に余すようにし、卓上に置くとき大きな音を立てないようにする。
●正しい使い方
卓上に置かれた箸は、右手で上からつまみ左手を下に添える。右手を箸から離さずにずらして箸の下に回し込み、使う形に持ち直す=写真@。その後で添えていた左手を離す。
正しい持ち方は、上の箸と下の箸の間に中指が来るように。上の箸は人差し指と中指で挟み、親指を上に添える=写真A。食べ物をつまむ時は上だけを動かし、下は動かさない。
ご飯や汁物など器を持って食べる時には、器をまず両手で持ち上げ、左手だけで持つ。箸はそれから右手で上からつまみ、器を持っている左手の人差し指と中指で挟んで持ち直す=写真B。
割り箸は、ひざの上で割る。食事が済んだら箸袋に入れる。
箸の動きの基本は、常に箸先が体と平行となるように心掛ける。
【写真@】右手で箸を持ち直す時は、左手を添える
【写真A】上の箸と下の箸の間に中指がくるようにする
【写真B】器を持つ左手の人差し指と中指で箸を挟んで持ち直す
●してはいけない使い方
「迷い箸」 取る食べ物を迷い、箸先を泳がせる
「刺し箸」 食材に箸を突き刺す
「ねぶり箸」 箸先をなめる
「寄せ箸」 器を箸で動かす
「渡し箸」 器の上に箸を置く
このほか、箸を持ったまま話をしたり、箸先を人に向けたりしないようにする。
熊本日日新聞2007年8月22日朝刊
<食考 くまもと>
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