| 昨年5月6日の福岡戦で後半27分、ハットトリックとなるゴールを決めるロアッソ熊本のFW高橋泰(11)=レベルファイブスタジアム(植山茂) |
|
ロアッソ熊本は強烈なJリーグの洗礼を浴びた。FW高橋泰の福岡移籍によって、昨季までのエース、チームの「顔」を失った。そして、資金力に勝るクラブが下位クラブの中心選手を引き抜いてチーム強化を図る“弱肉強食”の厳しい「J」の世界をあらためて認識させられた。
熊本は4年前のチーム創設時から率いた池谷友良氏がGM専任となり、北野誠ヘッドコーチが新監督に昇格する人事を発表したばかり。“北野ロアッソ”の構想には、チーム得点王高橋との契約更新は大前提。チームの大黒柱を、金銭面だけでなく「チームの顔となれる人材」(池谷GM)とハートにも訴えて慰留に努めたが、実らなかった。
最終的に契約に至らなかったのは、選手としての“旬”にJ1でのプレーを希望する28歳の高橋と、「4年以内のJ1昇格」を目指すチームの青写真がマッチしなかったからだ。昨季、チームワーストタイの8位に沈んだ福岡から見れば、ホームで5ゴールを奪われ痛い目に遭った高橋の獲得は、今季にかける意気込みを示すものだ。
今季の熊本に「ユタカ」はいない。池谷GMは「だれかがいなくなったら、だれかが出てくるのがチーム。また、そうなってもらわないと困る」と、切り替えた。「“現実”をしっかり育てる」という北野新監督がどんなチームを作り上げるか。絶対的なエースの消滅は現有戦力にとっては大チャンスでもある。また、九州ダービーの福岡戦が盛り上がるのは間違いなさそうだ。(陣立昌之)
熊本日日新聞 2009年01月07日