山江村が所有するボンネットバス「マロン号」が復活して、今年で十五年。一度は一線を退きながらも、同じように現役復帰したボンネットバスが九月、全国から同村に集結してイベントが開かれる。昭和ブームに乗って、街おこしにも大活躍のレトロバスたち。鼻を突き出した愛らしいボディーが、古き良き時代にいざなってくれる。
4月にあった菜の花まつりで村内を走る山江村のマロン号
マロン号は一九六三年製。路線バスとして球磨郡市の山間部などを走り、七八年に廃車となった後、村が九州産交から譲り受け、村内の温泉施設に展示していた。
その後、村民有志が、村おこしに生かそうと車体を整備。九三年にナンバーを再取得し、復活した。現在は村内外のイベントで活躍。福岡市などにも出向き、栗[くり]まんじゅうなど特産品のPRに一役買っている。
「山江村といえばマロン号と言われるほど、村のシンボルになっている。マロン号にふさわしい美しい農村風景を、つくっていけたら」と村総務課。二〇〇五年には産業考古学会がマロン号を「推薦産業遺産」に認定、歴史的価値にも目が向けられている。
ボンネットバスが集まる今回のイベントは、村制施行百二十周年記念事業の一環。
広島県の福山自動車時計博物館から三台、高知県の技研製作所から二台、香川、大分両県からも一台ずつ、マロン号を入れて八台が集結する。いずれも昭和三十年代から四十年代前半生まれ。九州産交のバスだった「トヨタDB90」も高知県から里帰りする。
日本のボンネットバスに詳しい新潟県柏崎市の高校教諭、丸谷洋一さん(45)は「日産、いすゞ、トヨタの各メーカーのほとんどのタイプが集まる、またとないイベント」と意義を強調する。
大分県の一台は、九州自動車歴史館(由布市)の所有。「温泉街のかつてのにぎわいを取り戻したい」と、湯平温泉観光協会が二〇〇四年から、湯布院駅と同温泉の間を秋季限定で走らせている。
昨年、運行を見合わせたところ、「いつ走るのか」といった問い合わせが相次ぎ、「人気の高さを思い知らされた」と同協会の二宮謙児童事務局長(47)。
映画「ALWAYS 三丁目の夕日」がヒットするなど、昭和ブームは続く。地域の足として活躍したボンネットバスも、観光浮揚の期待を背負い、ここ数年、各地で復活している。
丸谷さんは言う。「時代を伝える貴重な乗り物。ブームで終わらせるのではなく、後世にしっかりと引き継いでいってほしい」
◇
「全国のボンネットバス大集合!!」の日程は次の通り(いずれも入場無料)。
▽十三日=午後一時半から村農村環境改善センターで、シンポジウム▽十四日=村役場前広場で展示。体験試乗は午前十一時と午後二時、ボンネットバスパレードは午後四時▽十五日=午前十時から村役場発のボンネットバスモニターツアー。問い合わせは村総務課TEL0966(23)3111。(本田清悟)










































































無断転載は禁じます。「くまにち.コム」に掲載の記事、写真等の著作権は熊本日日新聞社または、各情報提供者にあります。
Copyright(C) 熊本日日新聞社,All Rights Reserved.