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「近未来」体感 自動運転の実証実験始まる 芦北町 2017年10月02日

「近未来」体感 自動運転の実証実験始まる 芦北町の写真、図解
町民らを乗せて実証実験を始めた自動運転車。ほかの車などが通行禁止の区間では、運転席(手前右)が無人の状態で走行した=芦北町
「近未来」体感 自動運転の実証実験始まる 芦北町の写真、図解
 芦北町で1日、国土交通省の自動運転の実証実験が始まった。走行の安全性や利便性、乗客の反応はどうか。カート型の自動運転車に同乗した。(福山聡一郎)

 午前8時すぎ。花岡の農業宮田秋雄さん(71)、敏子さん(73)夫妻方近くの農作物集荷場に、自動運転車が静かに到着した。行き先は直売所がある「道の駅芦北でこぽん」。敏子さんは取れたてのオクラやサトイモなどを積み込んだ。「自分で運ぶより手間が省けて助かる」

 道の駅までは約500メートル。200メートルほど進むと運転手がハンドルから手を離した。道路に「電磁誘導線」を埋設した自動運転区間に入ったからだ。カーブを滑らかに曲がり、交差点で一時停止。運転手がボタンを押して再発進し、5分ほどで道の駅に着いた。

 人を乗せる便は道の駅-町役場間を1日6往復。第1便は午前10時に出発した。9カ所ある停留所の一つ「町社会教育センター」で、近くの上村フキ子さん(76)が乗り込んだ。自動運転時の最高時速は12キロ。「乗り心地は良いし、遅くも感じない」

 約20分後、佐敷川緑地公園付近に差しかかった。ここから約400メートル区間は実験専用道。車や人などは通行禁止だ。運転手が助手席に移動し、運転席は無人のまま走り始めた。乗客は「すごい」「ドキドキする」。記者も「近未来」を感じた。

 しかし次の瞬間、沿道のコーンに接触、運転手が手動で緊急停止させた。前方カメラで障害物を認識すると自動停止する仕組みのはずだが…。道に伸びた雑草は敏感に感知し、何度も徐行した。上村さんは「停止理由を知らせる表示があれば不安は和らぐ」。

 同町が実験地に選ばれたのは、道の駅近くに町役場や病院などが集まるからだが、超高齢化が進む中山間地域という前提がある。65歳以上の高齢化率は41・0%。面積の約8割を林野が占め、鉄道や路線バスは行き渡っていない。

 道の駅で第2便に乗り込んだ山下あゆむさん(81)は、町中心部で長男と2人暮らし。免許は持たず、移動はもっぱら自転車。この日も道の駅まで自転車で来た。「寒い日や雨の日は無理だが、85歳までは乗りたい」

 途中、空き店舗が目立つ商店街を通り、「昔は何でもそろっていた」と寂しそう。長男の車で週1回、大型店に行くという。

 1周して道の駅に到着。山下さんは「自動運転が当たり前の世の中? 想像できないわ」と笑い、自転車に乗った。


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