くまにちコム:熊本のニュース速報なら熊本日日新聞

サイトマップ


くまにちコム トップ > 熊本のニュース > 震えた土、復興の器に 被災の陶芸家9人が西原村で採取


地域ニュース

震えた土、復興の器に 被災の陶芸家9人が西原村で採取 2017年09月07日

震えた土、復興の器に 被災の陶芸家9人が西原村で採取の写真、図解
西原村の土で作品作りに取り組んでいる「阿蘇熊本復興陶芸家の会」のメンバー=大津町真木
震えた土、復興の器に 被災の陶芸家9人が西原村で採取の写真、図解
西原村の布田川近くから土を採取する「阿蘇熊本復興陶芸家の会」のメンバー=8月上旬(同会提供)
 熊本地震で被災した県内の陶芸家9人が、震度7に見舞われた“震源地”の西原村の土を使って作陶に挑んでいる。11月に合同で窯焼きし、来年1月にグループ展「地生[ちな]り」を開催予定。メンバーたちは「多くの物が失われた地震の爪痕から、新たな『形』を生み出したい」と張り切っている。

 メンバーは同村や南阿蘇村、大津町などの窯元ら9人。地震で窯も自宅も全壊した人もいる。今年5月に「阿蘇熊本復興陶芸家の会」を結成。地震からの復興を願い、グループ展を企画した。

 土は8月、活断層に近い西原村の布田川流域の2カ所から採取した。中心メンバーで「日暮窯[ひぐれがま]」の江藤裕次郎さん(59)=大津町=は「はっきり言って陶芸には向かない粘土」と苦笑する。試し焼きでは、通常使う土よりも縮んでひびが入りやすく、焼いた後も水を吸いやすいなどの欠点が目立ったという。

 「それでも、そこにある土を使って焼いて、その土地ならではの作品に仕上げるという陶芸の原点に戻りたい」と江藤さん。11月には、地震の全壊被害から復旧した「円満寺窯」(大津町)の登り窯で、全員分を窯焼きする計画だ。

 同窯の近藤聖傳[せいでん]さん(67)は「焼く前の成形もしにくいが、だからこそ土と向き合い、地震から立ち上がるという私たちの意思を示したい」と話す。

 窯焼きの燃料となる木材には、解体された被災家屋の廃材を使用。8月、4トントラック1台分を同窯に運び、メンバーが割って薪[まき]にした。「全てを地震から作り出す」と、プロジェクトに懸ける思いは熱い。

 グループ展「地生り」は来年1月16~21日、熊本市中央区の県伝統工芸館で開催予定。(林田賢一郎)


熊本のニュース記事一覧



個人情報保護方針著作物の利用についてお問い合わせ

↑このページの先頭へもどる


「くまにちコム」に掲載の記事、写真等の無断転載は禁じます。著作権は熊本日日新聞社または、各情報提供者にあります。

Copyright Kumamoto Nichinichi Shimbun