くまにちコム:熊本のニュース速報なら熊本日日新聞

サイトマップ


くまにちコム トップ > 熊本のニュース > LGBT市場に熱視線 九州のホテル広がる対応


地域ニュース

LGBT市場に熱視線 九州のホテル広がる対応 2017年08月21日

LGBT市場に熱視線 九州のホテル広がる対応の写真、図解
LGBTの結婚式を手掛ける「オテルグレージュ」の牧瀬伸太郎広報部長。左は身長が低い女性のため用意しているタキシード=福岡県宗像市
LGBT市場に熱視線 九州のホテル広がる対応の写真、図解
スカートが半分のピクトグラムを用いて、性別に関係なく利用できるように表示した城山観光ホテルのトイレ=鹿児島市
 2019年のラグビーワールドカップ日本大会や20年の東京五輪などスポーツの国際大会を見据え、外国人旅行者の中でも性的少数者(LGBT)に特化した誘致の動きが九州でも出始めた。九州経済連合会と福岡県はLGBTに限定したツーリズムセミナーを初めて開催。LGBTの国内市場規模は6兆円ともいわれ、関係者は新たなマーケットとして熱い視線を注いでいる。

 「G7(先進7カ国)で同性婚が認められていないのは日本だけだが、アジアの中ではLGBTに寛容な国だと受け止められている」

 7月28日、福岡市であったセミナーで、LGBTの支援団体「レインボースープ」(同市)の五十嵐ゆり理事長が基礎知識を説明した。旅行代理店や行政などからの参加者で定員80人の会場は満杯。五十嵐理事長は「マーケットとしてだけでなく、理解を深めようという姿勢を感じる」と関心の高まりを実感する。

 五輪憲章はLGBT差別禁止を明記しており、国や企業を中心に理解を広げる機運が高まる。一方、政府の観光戦略は20年の外国人旅行者の目標を4千万人と設定。人口の5%とされるLGBT当事者の消費動向に注目が集まっている。

 LGBTを対象にした企業のマーケティングを支援するアウト・ジャパン(東京)の小泉伸太郞社長によると、LGBTの国内市場規模は6兆円、世界では2020億ドル(約22兆円)に上る。ビジネスクラスや高級ホテルを利用するなど「好きなことには金をかける」特徴があるといい、「国全体で受け入れる姿勢を発信すべきだ」と訴える。

 15年からLGBTの結婚式を手掛けるのは福岡県宗像市のホテル「オテルグレージュ」。女性同士のカップルの場合、最も小さいタキシードを用意して体に合うよう補正し、背を高く見せるシークレットブーツを特注することもあるという。

 これまで同性愛や、心と体の性が一致せず性別適合手術を受けたトランスジェンダーのカップル計5組が挙式。牧瀬伸太郎広報部長は「同性同士の場合は新郎、新婦でなく名前で呼ぶなどケースごとに配慮すべき点があり、気を付けている」と説明する。

 LGBT当事者の悩ましい課題の一つがトイレだ。

 鹿児島市の城山観光ホテルは6月、多目的トイレ5カ所の表示にスカートが半分のピクトグラム(絵記号)を追加。LGBTの象徴のレインボーカラーをあしらい、誰でも利用できるようにした。担当者は「ユニバーサルデザインの取り組みの一つ。Wi-Fi(ワイファイ)などのインフラ同様、鹿児島市全体でLGBTを受け入れる土壌を育てていきたい」と先を見越す。

 こうした動きを行政も後押し。福岡県は、観光業者がLGBTを受け入れる際の配慮事項をまとめた「おもてなしレインボーガイドブック」を作成中で、9月に配布する。県人権・同和対策局は「経済活動に生かしてもらいながら、人権への理解も深めてほしい」と呼び掛ける。(福井一基、亀井悠吾)


熊本のニュース記事一覧



個人情報保護方針著作物の利用についてお問い合わせ

↑このページの先頭へもどる


「くまにちコム」に掲載の記事、写真等の無断転載は禁じます。著作権は熊本日日新聞社または、各情報提供者にあります。

Copyright Kumamoto Nichinichi Shimbun