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外国人実習生失踪、復興現場に 摘発は地震後2倍 2017年06月28日

外国人実習生失踪、復興現場に 摘発は地震後2倍の写真、図解
県警の担当者から技能実習や日本での生活に関する説明を聞くベトナム人技能実習生たち=熊本市東区
 県内で外国人技能実習生の失踪が増えている。2016年の外国人失踪者は、13年の65人から2倍近い119人に急増。そのおよそ9割が実習生だ。熊本地震後は実習先を離れて被災地で働き、入管難民法違反(不法残留)の疑いで摘発されるケースもある。県警は、失踪した実習生を雇い入れた側の違法性も指摘している。

 「不法滞在で捕まると3年以下の懲役か、300万円以下の罰金です」。6月中旬、熊本市東区のベトナム人実習生の研修センター。熊本東署の担当者の説明に、実習生約30人が「オー」と驚きの声を上げた。「家族のためにお金を稼ぎに来た。日本の法律をしっかり守って生活していきたい」という実習生のチャン・トゥ・タオさん(25)は4人家族。ベトナムの物価は日本の3分の1程度しかない。

 そうした事情から、実習生は増加。法務省入国管理局によると、2016年12月時点の県内の実習生は4235人。13年の2677人から6割ほど増えている。

 県警がことし1月~5月末に把握した外国人失踪者は78人。ほとんどが農業実習生で、国別ではベトナムや中国が多い。失踪の理由について県警外事課は「高収入を求めて実習先から逃げる実習生が多いようだ」と分析。不法残留となった実習生は正規の職に就けないため、人手不足や人件費に悩む事業者が違法に雇うケースが後を絶たないという。

 県内では昨年4月の熊本地震発生後、不法残留などの疑いで摘発される実習生らが増えている。地震前の15年は12人だったが、16年は24人に倍増。地震が発生した昨年4月から今年5月末までに不法残留容疑で摘発した25人でみると、このうち20人が益城町や熊本市などの被災地で瓦のふき替えや解体作業にあたっていた。

 26日には、不法残留の疑いでベトナム人の男4人が県警に逮捕された。このうち2人は実習生。在留期限が切れた後、国内の業者に雇われて熊本地震で被災した家屋の解体などに従事していた。調べに対し、「被災地で働く方が実習よりお金が稼げるので魅力的だった」と供述しているという。

 実習生を巡っては、契約した金融機関の口座や携帯電話が第三者の手に渡り、別の犯罪に使われる可能性も指摘される。同課は「不法就労した実習生だけでなく、不法残留と知りながら雇った事業主も罰せられる」とした上で、「不法就労する前に、困り事があれば警察も相談に応じる」と実習生に呼び掛けている。(九重陽平、横山千尋)


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