元1級建築士・姉歯秀次受刑者による耐震強度偽装事件で建て直しを余儀なくされたとして、ビジネスホテル「センターワンホテル半田」(愛知県半田市)が、建築確認をした県などに計約5億1500万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、名古屋地裁は24日、県などの過失を認め、県や開業指導したコンサルタント会社「総合経営研究所」(総研)などに計約5700万円の支払いを命じた。

耐震強度偽装事件で、県などに損害賠償を求めた訴訟のため、名古屋地裁に向かう「センターワンホテル半田」の中川三郎社長=24日午後、名古屋市中区
ホテル側代理人によると、一連の耐震強度偽装事件をめぐり、建築確認をした行政の責任を認めた初めての判決。同種訴訟に影響を与えそうだ。
戸田久裁判長は判決理由で、建築確認をする自治体職員の建築主事について「基準適合の検討に専念でき、建築士より適切な判断をなし得る立場。信頼を寄せ建築確認を申請する建築主に専門家として一定の注意義務を負う」とした。
その上で、愛知県の建築主事は、10-2階の耐震壁が法令基準の4割程度しか耐震強度がないことを通常の審査で把握できたはずだと指摘。ホテルの1階部分は主に柱だけで構成されている「ピロティ型」で、同型の建物は阪神大震災で被害が多かった点などを挙げ、「建築主事は姉歯受刑者に問い合わせるなどして調査をする注意義務を怠った」として、県の建築確認に違法性があったとした。
総研や内河健総研所長についても「施工業者、設計業者と一体になって営業活動をしており、指導監督義務があった」として、県と同様に過失を認定。(共同)
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