文部科学省は22日、高校の学習指導要領改定案を公表した。進学率が98%となり生徒層が多様化したことを受け、義務教育の内容を復習する授業を可能とすることを明文化した。週当たり30時間(1時間は50分)が標準の授業時間数を増やせることも明確にし、学校の裁量を拡大した。英語や理科、数学などの教科では科目を再編した。地理歴史は日本史の必修化を見送り、引き続き世界史を必修とした。

学習指導要領等の改定案について説明する文科省の高橋道和・教育課程課長(左)=文科省
来年2-3月に告示の予定。数学・理科は教科書検定を1年前倒しし2012年度入学生から、そのほかの教科は13年度入学生から実施する。
改定案によると、卒業に必要なのは74単位以上と現行通り。英語の授業は英語で行うと明記した。また、愛国心や公共の精神の尊重をうたった改正教育基本法を受け、学校で道徳教育の全体計画を作成するよう規定。伝統文化の学習充実のほか、公民では「裁判員制度」を含む法教育や、宗教の多様性の理解についても取り扱うとした。
日韓両国が領有権を主張する竹島(韓国名・独島)は、中学校の新学習指導要領解説書への記載で政治問題化したが、改定案は地理で「日本の領土問題にも触れる」と具体名を示さず、現行通りの記述となった。
数学では現行で「数学基礎」「数学1」の2科目から1つを選んでいたが、「数学1」だけの必修にした。国語、外国語(英語)も同様の選択必修制をやめて、必修科目を1つにして共通性が高まるよう再編した。
英語は、「コミュニケーション英語1」を必修にし、中高で学ぶ英単語数は800語増やし3000語程度とした。
数学、理科では2次方程式の解の公式やイオンなどが中学に移行した代わりに「化学反応と光」などの内容を復活させたり、新規に盛り込んだりした。「数学1」は再編で統計を取り込んだ。理科は日常生活との関連を重視し「科学と人間生活」を新設した。
就業体験の推進、充実を規定した特別活動などの一部内容は、10年度から先行実施する。(共同)
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