熟練の技で全国に販路 周遊クルーザーも
浜本造船所(天草市)
小回りができ、安定した乗り心地の「アーバンランチ」=東京・台場の発船場
 天草市新和町の浜本造船所(濱本初廣社長)は従業員十二人の小企業ながら、観光周遊クルーザーなどの販売先を全国に広げている。十六日には沖縄県の企業から受注した総工費約一億円のプレジャーボートを完成させた。伝統の船大工技能を活用し、きめ細かい注文に応じ取引先の評価を高めている。

 同社は一九五五年創業。漁船発注が細る中、十年前にダイビング用船に参入。二〇〇四年にヨットも始めた。現在は周遊船を軸に年間十隻前後を受注している。

 最近では〇六~〇七年、芝浦~台場間など東京湾の新水上交通を担う観光汽船興業(東京)から周遊クルーザー三隻を受注。いずれもFRP(繊維強化プラスチック)製の十九トンの双胴船で、水門や橋が連なる運河を運航できるよう天井は最大約百九十センチに抑えた。

 観光汽船興業は「FRPが大手より約一・五倍厚く頑丈。低価格で細かい要望に応えてくれた」と評価する。

 今回完成したボートを発注した沖縄のダイビング店チェーン「シーサー」(那覇市)も技術に注目。新事業のクルージング・ツアーに使うことにした。

 浜本造船所の工程は、船体の上部と下部の型枠の両方を手掛ける特徴がある。下部しか造らない通常工程に比べコストはかさむが、外観の仕上がりが良い利点がある。少数の熟練工で作業し、人件費を抑えている。

 濱本社長は「技術をさらに高め、新型船を作り続けたい」と話している。 (原大祐)
熊本日日新聞社 2008年7月26日朝刊

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