失敗を教訓に独自性貫く |
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中国に進出したのは一九九五年。しかし北京の第一号店は採算に合わず失敗した。国営企業などと共同出資した会社だった。重光克昭社長(39)は「味を現地人の好みに合わせすぎた。経営の主導権もなかった」と振り返る。 「味を変えない」。重光社長はこの時の教訓を心に刻み、成長の転機とした。 一度は挫折したが、九六年には味千の“味”にほれ込んだ中国の貿易会社社長らと、「味千(中国)控股有限公司(アジセン・チャイナ・ホールディングス)」の前身となる現地法人を設立。今度は熊本で培った味にこだわった。 事前に試食販売を重ね「めんの弾力とつるつる感は中国にない」との手応えを得た。日本と同じ製めん機を現地に据え付け、スープは輸出。いつもの味をそのまま再現した。 開店初日。香港の一等地の高層ビル一階に構えた一号店は行列ができるほど繁盛した。「オリジナリティーが薄れたらダメだと分かった」と重光社長。以降トッピングや香辛料を除く基本のラーメンの味は変えないよう徹底している。 中国も含め海外十カ国・二百八十三店に広がった店舗網。成長とともに二つの課題が持ち上がってきた。 一つは原料の安定供給体制の構築だ。これには昨年四月上海市郊外にスープ工場を設けることで対応した。スープは輸出に限っていたが、重光社長は「輸送コスト削減と輸出停止のリスク回避の狙いがあった」。 もう一つは海外店の支援体制。従業員向けの勉強会などを通じ、ラーメンづくりや接客、衛生などの品質を維持し、さらに引き上げるつもりだ。 重光産業の売上高は直営店と、めん・スープの原料販売収入などで約十五億円。海外チェーン店を含めると約百八十億円に膨らむ。欧州進出も間近で、さらなる規模拡大をうかがう。 重光社長は「店舗拡大のピッチに比べて、サービスなどが十分追いついていない面がある。人材育成を進め、世界基準のラーメンをつくりたい」。世界戦略に思いを巡らす。(中原功一朗) アジアで新規参入や事業拡大をめざす県内企業が増えてきた。それぞれ独自の戦略を練り、商品やサービスを磨いている。巨大市場に挑む姿を追った。 |
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熊本日日新聞社 2008年7月8日朝刊
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