25回記念シンポ 伝統踏まえ文化発信を

くらしの工芸展25回を記念し、生活に密着したものづくりをテーマに開かれたシンポジウム=熊本市
 今年二十五回目を迎えた「くらしの工芸展2007」(県伝統工芸館、熊日主催)の記念シンポジウム「好きなものと暮らす―日常を楽しく個性的に」が、同展初日の三十日、熊本市千葉城町のKKRホテル熊本で開かれ、生活と密着したものづくりのあり方などについて意見を交わした。

 工芸展の審査員・小川哲男(陶芸作家)、荻野克彦(プロダクトデザイナー)、富山弘基(「染織と生活」元編集長)、宮崎珠太郎(竹工芸家)の四氏が登壇。今年の同展について「入賞作には安定した作り手の息づかい、心意気が感じられた」「納得のいくデザインコンセプトがあり、安心して見ることができる作品が上位を占めた」と講評した。

 また、県伝統工芸館建設のソフトデザインを手掛け、同展の設立を提唱した工業デザイナー・故秋岡芳夫さん(宇城市出身)のものづくりを紹介。「使い手や人同士の関係が円満になるものづくりを絶えず意識していた」「地域で育まれた工芸を大切にし、和魂(わこん)を忘れなかった」などと話し、「新たな発見は足元にある。伝統や風土を踏まえたものづくりを通じて、豊かな文化を発信してほしい」と呼び掛けた。(勝木みゆき)

熊本日日新聞 2007年10月31日朝刊掲載

暮らしに安らぎ 工芸展開幕 熊本市

入賞・入選作品に見入る来館者=30日午前、県伝統工芸館(大田垣典子)
 「第二十五回記念くらしの工芸展2007」(県伝統工芸館、熊日主催)の作品展が三十日、熊本市千葉城町の県伝統工芸館で始まった。十一月四日まで。

 暮らしに安らぎとぬくもりを与える手作りの工芸品を公募。その中から陶芸や染織、イ草製品など入賞作十点、入選作百五十四点を展示している。グランプリの熊日賞に選ばれた太田尚美さん(47)=菊池郡菊陽町=の編組「つづらの親子バッグ『連れてって。』」など力作がずらり。予約販売も受け付けている。

 開幕に先立つ表彰式では、坂本武県伝統工芸館長が「くらしの工芸展は二十五回の節目を迎えた。プロ・アマ問わず優れた生活工芸品を募り、使い手と生産者のふれあいの場、手作りの良さとその価値を認識してもらう機会を提供してきた」とあいさつ。矢加部和幸熊日事業局長らが入賞・入選者に表彰状を手渡した。

 二十五回を記念し、同館二階では「秋岡流、暮しのためのデザイン展」も開幕。鉛筆からブルートレインまで幅広いデザインを手掛けた宇城市出身の工業デザイナー・故秋岡芳夫氏が選んだ使いやすい工芸品、同氏デザインの家具や文具など約三百七十点を展示。くらしの工芸展の歴代グランプリ作品も並べている。(勝木みゆき)
熊本日日新聞 2007年10月30日朝刊掲載

30日〜11月4日 県伝統工芸館で作品展

 25回記念くらしの工芸展2007(県伝統工芸館、熊日主催)の入賞・入選作品展が30日から11月4日まで、熊本市千葉城町の県伝統工芸館で開かれる。グランプリの熊日賞に選ばれた太田尚美さん(47)=菊池郡菊陽町=の「つづらの親子バッグ『連れてって。』」(編組)など入賞10点を紹介する。

 同展は、暮らしに安らぎとぬくもりを与える手作りの工芸品を公募。今回は214人から343点の応募があり、小川哲男(陶芸作家・日本工芸会正会員)、富山弘基(染織と生活 元編集長)、荻野克彦(プロダクトデザイナー)、宮崎珠太郎(竹工芸家)の4氏が審査。紹介する入賞作のほか、入選155点が選ばれた。

 表彰式は30日午前10時から同館で。審査員4氏を迎えた記念シンポジウム(入場無料)も午後1時から、KKRホテル熊本で開かれる。入賞・入選作の一部は同館である「秋岡流、暮しのためのデザイン展」(10月30日〜12月2日)で引き続き展示される。


熊本日日新聞 2007年10月29日朝刊掲載

熊日賞・太田さん 「ごまかさず、ち密」と評価

グランプリの熊日賞太田尚美さん(47)=菊池郡菊陽町=出品の編組「つづらの親子バッグ『連れてって。』」。入れ子仕様の大小バッグ2個組で、小は大の中にすっぽり収まる。
 手仕事の価値を見直す第二十五回記念くらしの工芸展2007(県伝統工芸館、熊日主催)の審査が十九日、熊本市世安町の熊日本社であり、グランプリの熊日賞は菊池郡菊陽町の太田尚美さん(47)作「つづらの親子バッグ『連れてって。』」(編組)が受賞した。他に入賞九点、入選百五十五点が選ばれた。

 太田さんの作品は、ツヅラフジの蔓(つる)で編んだ素朴な大小二つのバッグ。「基本的な編みを組み合わせ、バランスのとれた味わいのある作品に仕上げた。ち密にみっちり編み込み、ごまかしもない。内側と外側で二重編みにして強度を持たせるなど、使う側の意見も反映させた」と高い評価を受けた。

 準グランプリの県伝統工芸館賞には、京都市の齋藤朱々帆(すずほ)さん(29)の染織「夢花ピロケース」が選ばれた。金平糖をモチーフにした花々を絹の生地に染め上げた六枚組でカラフルな色柄。「心地よく眠れるような楽しく若々しい色合い。作者の思いが込められ発想も新鮮」と評された。

 この日は小川哲男(陶芸作家・日本工芸会正会員)、富山弘基(染織と生活 元編集長)、荻野克彦(プロダクトデザイナー)、宮崎珠太郎(竹工芸家)の四氏が審査。前回までの特別(イ草)部門は一般部門に一本化された。

 表彰式は十月三十日午前十時から。作品展は同日〜十一月四日まで、いずれも熊本市千葉城町の県伝統工芸館で。入賞・入選作の一部は同館である「秋岡流、暮らしのためのデザイン展」(十月三十日〜十二月二日)で引き続き展示される。

 審査員四氏を迎えた記念シンポジウム(入場無料)は十月三十日、同館近くのKKRホテル熊本で開かれる。(勝木みゆき)

 ●くらしの工芸展入賞・入選者<敬称略>

 ◇熊日賞<編組>「つづらの親子バッグ『連れてって。』」菊池郡菊陽町 太田尚美
 ◇県伝統工芸館賞<染織>「夢花ピロケース」京都府京都市 齋藤朱々帆
 ◇熊本県賞<陶芸>「白磁組鉢2」山鹿市 五嶋竜也
 ◇熊本市賞<木工>「木彩小箪笥」人吉市 山上貢司
 ◇県伝統工芸協会賞<金工>「布目象眼草花文お針箱」玉名市 伊藤恵美子
 ◇県い業生産販売振興協会賞<い草>「い草 祝い座布団」宇城市 平住政光
 ◇小川審査員奨励賞<陶芸>「スリップウェアー組皿」荒尾市 井上尚之
 ◇富山審査員奨励賞<染織>「ベッドカバー」鹿本郡植木町 田仲一美
 ◇荻野審査員奨励賞<染織>「風呂敷」鹿本郡植木町 田仲一美
 ◇宮崎審査員奨励賞<竹工>「長物かご」熊本市 松下明弘

 【入選】
相賀幸子、饗庭弘治、上野浩平、浅井しおり2、池上信介2、池田桂一、伊藤美枝、今坂智恵子、上田典弘、上野良子、宇土秀一郎、梅田幸子、江上晋、大川滋、太田尚美、大野等、大野典子、大森泰二郎2、大渡馨子、緒方※1次、小野寺去水、小野弥、甲斐武、甲斐信夫、兼丸民夫、椛島一郎2、蒲原美保、河内裕子、川崎舞、河津君代、木瀬浩詞2、木部大資、工藤加久夫2、倉田繁男2、小串照彦2、小財伸、小坂スエ子、五嶋竜也、材津公二、財津フミ子、齋藤朱々帆、境喜美代、酒井正敏、坂本國廣2、佐藤郁雄、佐藤嘉洋2、澤田麻衣子、澤村精昭、三小田京子2、潮田愛子、柴田昌正、島田敏和、島村ナナ2、志水由紀、鋤田壽徳、鋤田美喜子、杉村佑、砂原逸子、瀬口観司2、高光太郎2、田口和代、竹森美紀2、田中寿雄、田中三穂2、谷川亜紀子、玉里桂子、津金日人詩、徳永寿子2、豊永光臣2、直江節子、中上ひろし、中島寅男、中根和広、中根久子2、長野和也2、永原智恵子、成毛智子、西川講生2、西川勝2、西山文子、橋口さつき、浜村節子、浜渡富雄2、林裕司2、原田千佳、久野靖子2、平岡健三、平住政光、平田真深2、平野乃莉子2、福島みどり2、藤島茂徳、藤本高廣、古川善久、星乃久美2、牧野秀樹、舛田良子、又間美代子、的野伸子、水口翔平、水民マサ子、水野かをる、三満田純子2、宮田キヌ子、宮野益光、村上芳江、本山広真2、守田昭三2、盛洋子2、門馬進、蜩c一寿2、山崎珠美、山住※2彦、山本公子、山本さつき、吉田妙子、淀川正則2、笠真弓、ローゼン三早枝2 ※2は二点入選

※1 耳へんにうけばこの下に壬
※2 手におおざと
 
熊本日日新聞 2007年9月20日朝刊掲載

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