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5年前に股関節手術、筋力つけるには?
熊本在住の母(56歳)が、5年前に右足の付け根の股関節の手術を受け、右足をかばって生活してきました。全く運動などしておらず、身長に比べ太りぎみで、現在は左足が痛くて歩くのもおろそかです。ひざから下が痛いようで、「医者から両足の筋肉が全くないから筋肉を付けて下さい、と言われた」と言っていました。レントゲンは異常なしです。母はとても辛そうで、痛い足を動かし筋肉を付けることは無理だと思いました。
現在は、水泳や水中散歩などいろいろ方法があると聞いています。何か良い治療法があれば教えて下さい。(大阪府、女性)
減量と大腿四頭筋の強化訓練を
松下和徳院長
あけぼのクリニック
(熊本市白藤)
ご相談者のお母さまの詳しい状況は分かりませんので、股関節手術(人工股関節全置換術、人工骨頭置換術、骨切り手術など)を受けた患者さんの手術後の療法(後療法)について説明させていただきたいと思います。
股関節は荷重関節といって体重がかかる関節です。ひざ、足関節も同様に荷重関節ですが、股関節はその形状から片足立ちの時には、体重の約4倍の荷重がかかります。そのため負荷をできるだけ少なくするために減量が必要なことはご理解いただけると思います。また、股関節を支えるためには、下肢の筋力をつけることも大事な後療法です。後療法を行う際には、この2点を中心に行っていきます。減量についてはここでは割愛させていただきます。
下肢の筋力増強については、股関節のみならず膝関節の周囲筋の筋力増強が大切です。その際、体重をかけないで筋力増強する、大腿四頭筋(太もも前面の筋肉)の強化訓練に主眼をおきます。体重がかかると疼痛が現れますので、散歩などによる筋力増強は疼痛があるときにはお勧めできません。大腿四頭筋強化訓練の実際について図説いたします。
(1)(2)寝て行う場合
(3)いすに座って行う場合
(1)ひざの裏を床に押しつけるようにして、5秒間保ちます
(2)ひざを伸ばしたままの足を上げ、5秒間保持します
(3)いすに腰をかけて、ひざを伸ばし、5秒間保持します
<注意点>
(1) 痛いときには行わない。
(2) 温めながら行うと効果的。
(3) 量は1日朝または夜に20〜30回程度から開始し、少しずつ回数を増やす。
(4) 力がついてきたら保持時間を10秒程度に増やす。また、施行後痛くなるようなら運動量を減らす。
(5) 週に2〜3回から毎日行う。
以上のような注意点を守って、筋力が増強されれば効果的と思います。ご質問の水泳や水中散歩も間接的な減量(体重負荷減少)になり、筋力負荷訓練になり有効と思いますが、水に入るまでの手間など考えると、まず大腿四頭筋の強化訓練を行い、歩行能力が改善してから、組み合わせとして行うことが現実的かと思います。
(回答者 松下和徳医師・あけぼのクリニック院長=熊本市)
(くまにちコム「健康・医療」2006年8月5日付)
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