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皮膚
Q 尋常性乾癬で夜も眠れません
 尋常性乾癬(かんせん)といわれ、40年近くなります。ひざ、ひじだけだったのが、最近は全身にできるようになり、夜も眠れません。今の医学では原因が分からないそうですが、治療はできないのでしょうか。今は塗り薬だけ続けています。(60歳、主婦)
A 根気よく「コントロール」を
天野冨紀子副院長
天野整形外科・皮ふ科
(熊本市)
 乾癬は、患者さんが多い割に、まだ日本では認知度が低く、他の皮膚病と誤解されやすいため、患者さんにとって精神的に辛い慢性疾患です。白人では100人に2人、日本人では1000人に2人くらいの頻度で、欧米人に多く、食生活や体質が原因といわれています。

 頭や、ひじ、ひざ、背中などの擦(す)れやすい部分にできやすく、くっきりした赤い斑(はん)の上に銀白色のかさぶたがつき、魚のうろこのようにポロポロとはがれ落ちます。中国では「銀鱗症」といわれています。

 伝染性はなく、悪性変化もないのですが、長期にわたって発疹(ほっしん)を繰り返すため、“見た目(外観)の問題”が、患者さんにとって一番深刻です。人目が気になり、温泉に入れないために、職場や友人との旅行に参加できないなどの精神的苦痛をよく訴えられます。

 ほかの慢性の皮膚病も同じですが、一般の人に患者さんの苦しみを理解していただき、「心ある無視」をお願いしたいと思います。欧米では、ありふれた皮膚病として一般の人に認知されています。

 原因については、遺伝子レベルの研究が進められていますが、全容はまだ分かっていません。今のところ、この病気になりやすい体質を持った人が、大人になってからの食生活、ストレスなどの環境要因と絡んで発症するのではないかと推測されています。したがって、残念ながら根治の方法はまだなく、対症療法が中心となります。人によっては、自然に消えてしまったり、数カ月や数年、発疹が出ないこともあります。

 現在行われている治療は、重症度に応じて選択されています。全身に発疹がある重症の場合は、免疫抑制剤のシクロスポリンや、チガソンという内服薬を使って軽快させます。軽症には、ビタミンD3軟こうを塗る治療や、プバ(PUVA)療法という紫外線治療があります。

 プバ療法は、ソラレンという薬の内服や外用後、または入浴後に、紫外線を照射し、異常に進んだ皮膚の角化サイクルを抑制する方法です。日常の日光浴も有効です。

 高血圧や糖尿病などの生活習慣病は、内服薬や生活上の注意でコントロールします。これと同じように、乾癬の治療も目標を「キュア(治療)」ではなく「コントロール」に置き、根気よく、仲良く付き合ってください。

 (回答者 天野冨紀子医師=天野整形外科・皮ふ科副院長、熊本市田崎)

 (くまにちコム「健康・医療」2005年10月12日付)


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