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「子どもの将来は…」 評価と懸念交錯 児童福祉関係者
熊本市の幸山政史市長が五日、設置を許可し国内初の運用に向け動きだした慈恵病院の「こうのとりのゆりかご(赤ちゃんポスト)」。「命が救われるなら」「子どもの将来も考えないと」。児童福祉に携わる関係者にも評価と懸念が交錯した。
熊本市が「こうのとりのゆりかご」の設置を許可した慈恵病院=5日午後、熊本市島崎(植山茂)
運用開始後、慈恵病院から乳児院への入所措置や、里親委託などを担当することになる県中央児童相談所の担当者は「命を守るという目的は評価する。今後は、子どもを育てられないと悩む人に児童相談所の存在も周知していきたい」と話す。
「やむなく子どもを託す人は、どうか名乗り出てほしい」。幼児や児童を預かる県養護協議会の上村宏渕会長は、そう呼び掛ける。
子どもは思春期を迎える前に、親探しの葛藤(かっとう)が始まるという。「会えなくてもいい。あなたは誰の子だよ、と教えてあげたい。子どもには自分が誰なのかを知る権利がある。慈恵病院は親への働き掛けに努めてほしい」
一方、「宗教団体が支援している欧米と日本では国情が違う。経済的なバックアップはどうするのか」と心配するのは、全国の百二十組以上の里親希望者らが登録する岡山県ベビー救済協会の堀章一郎理事長。
「素性が分からない子を育てるということは、将来里親が安易に離縁するなどの問題も起きやすい。やはり行政が施設をきちんと整備するべきでは」と堀理事長。
子捨てを助長するとの批判も根強いが、お茶の水女子大子ども発達教育研究センターの榊原洋一所長は「子どもを捨てる親にはよほどの理由がある。我慢して育てろという精神論では無理」と指摘。「本当に子捨てを助長するのか、一、二年は見守りたい。やってもいないのに反対するべきではない」と話している。
(熊本日日新聞2007年4月6日付朝刊)
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