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熊本市許可 今月下旬にも開設 全国初、慈恵病院に
熊本市島崎の慈恵病院が設置申請していた「こうのとりのゆりかご(赤ちゃんポスト)」について、熊本市の幸山政史市長は五日、設置を許可することを発表。市は同日、設置に伴う病院施設の変更許可証を交付した。「ゆりかご」は、親が養育できない新生児を緊急避難的に受け入れる仕組みで、国内では初の試み。同病院は今月下旬にもゆりかごを開設する方針。
記者会見で質問に答える幸山政史市長=5日午後3時半ごろ、熊本市役所(植山茂)
ゆりかご設置に関しては、安倍晋三首相が懸念を表明するなどし、論議を呼んでいる。厚生労働省は同日、ゆりかごを「一般化すべきではない」として、都道府県などに対して出産や育児に悩む人のための相談体制の整備を図るよう緊急通知した。
幸山市長は、許可理由について「直ちに関係法令に違反しているとは言い切れず、許可しない合理的な理由はない」と説明。さらに「新生児が遺棄される事態が現実に起きており、子どもの命を守る最終手段として必要」と述べた。
ただ、市は同病院に対して、(1)新生児の安全確保(2)病院の相談体制強化(3)行政の相談機関との連携、に留意するよう要請。これらの事項が守られず、刑法や児童虐待防止法などに抵触した場合「ゆりかご設置を取り消すこともあり得る」(同市)とした。
また、幸山市長は「市の相談体制を強化することで、ゆりかごが使われることがないよう努力したい」と強調。福祉総合相談室を現行九人から十一人体制にし、二十四時間体制で妊娠などの悩みを聞く電話相談を始めることを明らかにした。
許可証交付後、会見した同病院の蓮田太二理事長は「責任の重さを感じている。この問題は病院だけでは解決できない。母親と赤ちゃんの本当の幸せのため、行政や市民の支援もいただきたい」と訴えた。
県内を含め全国的に新生児置き去りなどが後を絶たないことから、同病院は昨年十二月、ゆりかご設置のための病院施設の変更許可を市に申請。市は現行法で想定されていないことから、児童虐待などに当たらないかなど、法的解釈について国に相談。厚労省が三月二十日、「医療法上、認めない合理的な理由はない」との見解を示し、市が県などと最終調整していた。(中山智雄)
(熊本日日新聞2007年4月6日付朝刊)
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