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幸山熊本市長の発言要旨 「設置後の状況きちんと把握」
熊本市の幸山政史市長は十六日、「こうのとりのゆりかご(赤ちゃんポスト)」設置問題で、熊本日日新聞社のインタビューに応じた。発言の要旨は次の通り。
―「こうのとりのゆりかご」を基本的にどう考え、申請に対し、どう判断するのか。
「申請を受けたときは正直、戸惑った。私なりに考えてきたが、生まれたばかりの子どもが捨てられる事件などが相次ぐ中、日本にも必要な時代になったと思う。ただ、安易な育児放棄や子どもの遺棄につながるという懸念を、否定できないとも感じている」
「再度、厚労省と運用面などを協議し、県、県警とも話し合った後、最終判断する。申請が出て数カ月経っており、できるだけ早く判断しなければと思っている」
―市が国との協議を重視し、文書回答にこだわったのはなぜか。
「現行法で想定しておらず、法の解釈、法整備の可能性、運用面の留意点について、国と連携する必要があった。全国に影響する問題であり、念には念を入れたかった」
「ただ『お墨付きをもらおうとした』のではない。最終的な判断は、こちらでしなければならない。それを回避するつもりはない。国は『一般化される』『指針とされる』と懸念しているようだが、指針を出してくれと言っているのではない。一緒に考えていきましょうと言ってきた」
―中央官庁などには「地方分権の時代、許可権者の市長が判断すればいい」との声もある。
「それは、地方分権の履き違いだと思う。全国的に影響がある問題を地方と一緒になって考えるということは、分権とは別の次元でやらなければならないことだ」
―「ゆりかご」の運用面で心配点は。
「万が一、捨てられる子どもが増えた場合、どう対応するかだ。設置しないと分からない部分がたくさんある。障害を持ったり、生死の境をさまよう子どもが置かれる可能性もある」
―設置された場合、市は関与するのか。
「当然、関与する必要がある。設置後の状況について市は許可した責任があり、きちんと把握しなければならない。預けられた赤ちゃんの命が大丈夫なのか。その後の行き先がどうなるのか。こうした状況を把握して病院、県、国と連携しなければならない」
―「ゆりかご」を設けているドイツは、望まない妊娠に対し、匿名出産や事前の相談などに取り組んでいる。
「(国内でも)どんな取り組みが必要なのかを考えなければならない。相談窓口の充実もあるだろう。特別養子縁組や里親制度について、現行法ではどんな問題点があるのか、こうしたことを考える必要性がある」
―市独自の支援も考えているのか。
「市はこの問題とは関係なく児童相談所の設置を検討していた。『ゆりかご』問題が出て、その必要性はさらに高まっている。児童相談所の在り方はこれから協議を進めるが、その中で(望まない妊娠をした女性へのサポートなどを)検討項目に入れていかねばならない」
―「ゆりかご」設置に対して安倍晋三首相らから反対の声が上がった。
「いろいろな意見がある。ただ熊本市としては、出されている設置申請に対し、(実際に子どもが捨てられる)現実に、どのような対処をするかという話だ」
(熊本日日新聞2007年3月17日付朝刊)
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