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「こうのとりのゆりかご」見解 厚労次官、文書回答断る
「一般化の指針作らず」

  厚生労働省の辻哲夫事務次官は八日の定例会見で、熊本市の慈恵病院が設置を目指す「こうのとりのゆりかご(赤ちゃんポスト)」をめぐり、同市が厚労省に対し「法令上問題ない」との見解を文書で求めていることについて、「一昨日(六日)に柳沢伯夫厚労相が『なかなか考えづらい』と言った通りだ」と述べ、市の要請を事実上、断る考えを示した。
 
  辻次官は「再三再四、言っているように、子どもを捨てることはあってはならないこと」と指摘。その上で「一刀両断に文書で、一般的に認める議論として行うべきではない。一般化する指針を作る考えは全くない」と語り、熊本市以外から要請があった場合も文書回答しない方針も示した。

  一方で「医療法上の法規裁量の基準として、設置を認めないという合理的な理由はない」とあらためて強調。熊本市の幸山政史市長が「厚労省と再度の協議が必要」との認識を示したことに対しても、「今、言ったことを何度でも繰り返したい」と、文書回答に否定的な姿勢を崩さなかった。

  さらに「なぜ熊本市が文書(回答)にこだわるのか。私どもは津々浦々に知れ渡るぐらい認識を明らかにしている。熊本市には議論をして判断してもらいたい」と述べ、最終的な設置の許可権者である熊本市に判断を委ねた。(潮崎知博)

熊本市長、設置許可に向け姿勢変わらない

 辻哲夫厚生労働事務次官が「こうのとりのゆりかご」に関する厚労省見解の文書化に否定的な考えを示したことについて、幸山政史熊本市長は八日、「文書がなくても基本的な考え方は変わるものではない」と述べ、設置の許可に向けて検討する姿勢に変わりがないことを表明した。

 市役所で会見した市長は、「文書での回答を期待していたので、状況が変わったということならば厚労省に確認したい」と発言。「文書が難しいのであれば、(児童虐待防止法への抵触など法律上の課題)六項目について再度、確認した上で市として(設置について)判断したい」と述べた。

 厚労省に文書を求めたことについて「国のお墨付きがもらいたかったわけではない。(全国で子どもの遺棄などが問題化していることについて)国に私たちと一緒に考えてほしいという考えだった」と強調した。(渡辺直樹)

 (熊本日日新聞2007年3月9日付朝刊)

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