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子宮筋腫の新治療法 超音波で患部の細胞凝縮
 超音波の振動エネルギーを患部に集中させ、細胞を熱凝縮させる「集束超音波装置」を使った子宮筋腫の低侵襲治療が、国内でも始まった。開腹手術や血管へのカテーテル(管)の挿入が不必要で、治療の際にエックス線も使わないことから、体への負担が軽く安全という。

  人体に照射された超音波のエネルギーは、組織の吸収度の違いに応じて熱に変わる。当たった部分の温度が約六〇度を超えると、タンパク質が変性して凝固する性質がある。

  これに着目した集束超音波装置はイスラエルのメーカーが開発、一九九八年以降、米ハーバード大をはじめ欧米などの約十施設が導入している。この装置を、医誠会病院(大阪市東淀川区)の画像応用低浸襲治療センターは四月から、国内では初めて子宮筋腫の治療に応用している。

  MRI装置のベッドに集束超音波装置を組み込み、超音波の照射で発生する熱で筋腫部分の細胞を凝縮させる仕組みだ。同病院の三上恒治医師は「MRIと同時に使うことで照射の範囲や、治療部位の温度がどの程度上昇するかを監視しながら治療できる」と話す。

  三上医師によると、超音波を発生する振動子と呼ばれる部分は、一個ではエネルギーが弱すぎるため、新装置は計二百五十六個をエネルギーが一カ所に集まるように配置している。超音波は皮膚などに影響を与えないため、エネルギーが集まる筋腫の部分だけに効果が現れる。

  患者はベッドにうつぶせになり、腹側から断続的に照射を受ける。治療時間は直径八センチ程度の筋腫で三時間程度。筋腫がなくなるわけではないが、数カ月から一年の間に徐々に縮小する。海外のデータでは、治療を受けた約二百六十人の約85%が三〜六カ月で症状が改善したという。

  同病院は七月二十五日現在、十七人の患者に試みた。筋腫の位置の関係で照射エネルギーを高くせざるを得ず、痛みで治療を中止したケースが二例、残る十五例の経過は順調という。

  装置は厚生労働省が承認していないため、医師が個人輸入して使っており医療保険の適用外。手術料は五十万円かかる。

  直径三センチ以下の小さな筋腫や、子宮の内側に突き出すようにできる「粘膜下筋腫」などは治療しない。治療後に妊娠を希望する人も当面は、治療しない。三上医師は「今のところ適応は筋腫全体の二割程度と思う。治療の選択肢が広がったことを生かし、患者さんと相談しながら取り組んでいきたい」と言っている。問い合わせは医誠会病院(電)06(6326)1121。
 
(熊本日日新聞2003年8月6日付夕刊)
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