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血管新生阻害剤「アバスチン」 乳がん治療薬に申請
 スイス・ロシュ社は、進行性乳がん治療薬として血管新生阻害剤「アバスチン」の製造販売を、欧州医薬品審査庁に承認申請した。FDA(米国食品医薬品局)には5月に申請済み。

 アバスチンは、がん組織に栄養と酸素を運搬する血管網の新生を阻害するタイプの抗がん剤。血管新生の主要因子であるVEGF(血管内皮細胞増殖因子)と呼ばれる生体内のタンパク質を狙い撃って、腫瘍(しゅよう)の増殖と全身転移に欠かせない血液の供給を断ち切る。米国やEUでは既に進行性結腸・直腸がんの治療薬として承認され、国内では中外製薬が承認申請している。また米国では進行性の非小細胞肺がんへの適応薬としても承認申請を終えている。

 今回の申請は、進行性乳がんの標準治療となっている化学療法と、アバスチンとの併用療法を比較評価した臨床試験に基づく。同試験には、未治療の進行性乳がん患者722人が参加。患者は無作為に標準治療のパクシタキシルの単独投与群とアバスチンとの併用投与群に分類。アバスチンは増悪が認められるまで2週間ごとに体重1s当たり10r投与した。

 その結果、パクシタキシルの単独投与群の無増悪生存期間は平均約6カ月だったのに対し、併用投与群は平均1年以上で有意に延命効果があった。

 ロシュ社と子会社の米ジェネンテック社は、アバスチンを結腸・直腸がん、乳がん、肺がんのほか、膵臓(すいぞう)がん、卵巣がん、腎細胞がん、前立腺がんなど、複数のがん治療薬として承認を得るため、世界で4万人以上を対象に臨床試験を実施している。(南里秀之)

 (くまにちコム「健康・医療」2006年7月13日付)
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