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乳がん予防 骨粗しょう症薬が乳がん治療薬と同等の効果
 乳がんリスクの高い閉経後女性の乳がん予防に関して、骨粗しょう症治療薬「エビスタ」(一般名・ラロキシフェン)が、乳がんの標準治療薬とされる「ノルバデックス」(一般名・タモキシフェン)と同等の効果があることが、米国国立癌研究所(NCI)の4年間に及ぶ大規模臨床試験で明らかになった。

 試験はSTARと呼ばれ、35歳以上で乳がんリスクの高い閉経後女性1万9747人を登録。参加者は、エビスタを毎日60r服用する群と、ノルバデックスを毎日20r服用する群に無作為に分類された。参加女性の半数以上は、子宮を既に切除しており子宮がんのリスクはなかった。

 有効なデータは1万9471人から得られた。解析した結果、浸潤性乳がんはノルバデックス群が9726人中163人(1.68%)、エビスタ群は9745人中167人(1.71%)が発症した。どちらの群も浸潤性乳がんの発症リスクを約50%抑えることができた。

 また、子宮のある女性では、子宮がんはエビスタ群4712人中23人(0.49%)、ノルバデックス群4732人中36人(0.76%)が発症した。どちらの群もほぼ同等に発症リスクを約50%抑えることができた。

 副作用では、深部静脈内の血栓と肺の血栓が発生する率で、エビスタ群の方がノルバデックス群を29%下回った。また脳梗塞(こうそく)のリスクの高い女性(管理不良の高血圧や糖尿病、脳梗塞経験者、一過性脳虚血性発作や心房細動の経験者)は試験に参加できなかったが、試験中には両群とも0.5%程度の人で脳梗塞が発生した。

 一方、上皮内小葉がんと非浸潤性乳管がんを併せた非浸潤性乳がんの発症では、ノルバデックスが発症者を半分に減らすことが確認されたのに対し、エビスタは効果がなかった。

 エビスタは、米イーライリリー社が開発した新タイプの骨粗しょう症治療薬。SERM(選択的エストロゲン受容体モジュレーター)と呼ばれ、エストロゲン(女性ホルモン)受容体と結合することによって、子宮内膜や乳房組織といった生殖器系への作用は弱く、骨組織や脂質代謝にはエストロゲン様に作用して骨の吸収を抑制する。(南里秀之)

 (くまにちコム「健康・医療」2006年6月26日付)
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