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強皮症 根治療法に一筋の光
 全身の皮膚や内臓、血管が硬くなってしまう強皮症。膠(こう)原病の一種で関節リウマチなどと同様、圧倒的に女性に多い自己免疫疾患だ。この硬くなる(線維化)メカニズムを、熊本大大学院の尹浩信教授(皮膚機能病態学)が初めて突き止め、根治療に一筋の光が差し始めた。

強皮症の一つ強指症。手指の皮膚が硬化している(尹浩信熊本大大学院教授提供)
 強皮症は、比較的軽症の限局型と、5〜6年以内に皮膚や内臓の硬化が進むびまん型がある。今のところ根治療法はない。

 厚生労働省の「皮膚・結合組織疾患調査研究班」によると、難治のびまん型は(1)膠原線維をつくる線維芽細胞の活性化(2)血管障害(3)免疫異常―の3つが病因と深く関係しているとみられる。

 尹教授は、このうち線維芽細胞に着目。線維芽細胞の活性化の原因を、分子生物学的な手法で調べた。

 その結果、線維芽細胞膜表面の「インテグリン」というタンパク質が、TGF―βというサイトカイン(生理活性物質)を刺激して同細胞を活性化させていることが分かった。

 さらに細胞膜表面で過剰に産生されたインテグリンが、「スマッド3」と呼ばれる転写活性化因子の働きを促進。また活性化したTGF―βは細胞膜上のTGF―β受容体経由で細胞の核に活性化の信号を送っていることが判明した。

 これらの研究成果から、尹教授はインテグリンやスマッド3の働きを阻害する薬剤の開発が、この難病の根治療につながると考えている。

 国内のびまん型の患者は6000人と推定され、皮膚の硬化が軽い限局型を含めると患者は2万人は下らないとみられる。治療法は、例えば、びまん型の皮膚硬化には少量のステロイド剤の投与が中心。ところが進行性の肺線維症にはほとんど無効で、別の免疫抑制剤を注射で大量投与したら症状が改善したという。

 限局型では肺高血圧症を合併することがあるため、主に血管拡張薬が使われている。

 尹教授は、これまで皮膚の細胞レベルだった研究を動物実験に切り替えるとともに、熊本大創薬センターや製薬会社の協力を取り付けて“特効薬”を開発したいとしている。

 (熊本日日新聞2006年6月21日付「夕刊メディカル」)
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