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子宮筋腫 超音波で治療 九州は2病院導入

 子宮筋腫の治療で、体外から超音波で患部を焼く「集束超音波治療」(FUS)が日本でも始まった。磁気共鳴画像装置(MRI)で病巣を撮影しながら局所的に治療するので、開腹手術の必要がなく、痛みも少ない。九州では福岡と宮崎の2病院が導入し、県内からの相談も増えている。ただ、始まったばかりの先端医療なので、患者は自分に合った治療なのか見定める必要がある。

 子宮筋腫は良性の腫瘍(よう)だが、大きくなるとぼうこう周囲の臓器を圧迫し、頻尿や月経痛、不正出血、過多月経などの症状が現れる。不妊や流産の原因になることもあり、手術による摘出やホルモン療法、子宮動脈塞栓(そくせん)療法などが行われてきた。

 集束超音波治療は、208個の超音波発生装置で患部を60〜90度に加熱させて焼き切る方法。2004(平成16)年にアメリカで承認され、日本にも導入された。

 福岡県春日市の福岡徳洲会病院(金良一院長)は昨年10月から外来で治療を始め、今月14日までに13例の臨床治療を実施している。熊本のほか、山口、長崎、沖縄などからの来院もある。

 1回の治療は腫瘍の大きさなどで異なるが、3〜5時間で済む。同病院によると「ほとんどの人が日帰りできる。気分がすぐれない人がいれば、医師の判断で一泊することもある」という。

  4〜15日ほどの入院が必要だった従来の開腹手術と比べ患者の負担が少なく、「働いている女性に希望者が多い」と同病院。ただ、保険適用外のため治療費は1回52万5000円(同病院の場合)と高い。

 治療を受けるには、まず、事前の外来受診が必要。MRIなどを使って子宮筋腫の大きさや位置・状態を確認する。

 患者は治療テーブルの上にうつぶせになり、医師らはMRIで病巣を見ながら、おなかの下側から超音波を当てて治療する。筋腫には神経が来ていないが、同病院のアンケートによると、下腹部や腰、太ももなどに「我慢できる程度」の痛みはあるという。

 ただ、最先端医療だけに臨床例が少ない。自分に合った治療なのかどうか、慎重に見定める必要がある。熊本大大学院医学薬学研究部の片渕秀隆教授(婦人科学)は「今後、子宮筋腫の治療の一つとなる可能性はある」と期待する一方で、「子宮への影響は今も不確定だ。治療を受けた後に妊娠・出産を考えている女性は、よく主治医と相談してほしい。もし不安があるならば別の産婦人科の専門医に意見を求めるべき」と話す。福岡徳洲会病院も「治療を受けた女性が無事に出産した例はあるが、症例が少ないのも事実」と話す。

 さらに帝王切開などで下腹部に傷があったり、MRI内に長時間いるため閉所恐怖症の人などは治療に適さない。同じ筋腫でもおなか側から遠い場合や、浮腫状態になって水分が多くなっている場合は焼きにくいという。

 同治療は宮崎市のブレストピアなんば病院、会津中央病院(福島県会津若松市)などでも実施している。

 (熊本日日新聞2006年4月19日付朝刊)
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